グリードアイランドと其の中身
ゴンたちの所に戻った俺は、今日の出来事全てを話した。
驚きはしたが、もらったモノだ。
しかも俺たちが求めていた品だけあって有り難く使わせてもらう事にした。
クラピカの容態もよくなり、センリツと一緒に仕事へ戻って行った。
レオリオも勉強に集中すると出て行き、また4人となった。
そして、俺たちはグリードアイランドが出来る安全且つ公共じゃない場所を求めた。
家は木遁で何とかなるが、問題は電気だ。
繋げるとしても時間がかかると思い、やはり此の世界での家を買う事にした。
グリードアイランド中は分身に金稼いでもらえば問題ないし、ましてや近所の誰かと顔合わせても変な噂も立たなくて済む。
身分証はキルアの兄、ブタくんに金払って作ってもらいすんなりと家を購入する事ができた。
しかも、いい場所なんだ。
山奥の人里離れた見つかりにくい所。
周りには家もなく、山の麓(ふもと)からも見えない位置。
「決まりだな」
「8200万ジェニーか…」
「鳴門が買ったのか?」
「いや、俺」
「…何か、俺たちお金の使い道荒くなってきてる気がする…」
そうか?
木の葉にいた時とか、そんな変わらなかったがな…。
購入した家に早速荷物を運び入れる。
テレビとゲーム。
家に必要なモノも、分身に任せて集めるとして…。
「さて、行くか」
「嗚呼」
「緊張するね…」
「ワクワクすんな!」
メモリーカードを専用口に差し込み、念を込めた。
すると、ゲームの中に引き込まれたらしくいた場所と違う場所に立っていた。
機械的な空間で、自動に扉が開くと其の先に誰かがいた。
「いらっしゃいませ。
こちらはグリードアイランドのスタート地点となります。
此れからアナタに此のゲームの説明を致します」
空中に浮かぶ椅子に乗った姉ちゃん。
「指輪を嵌めた手を前に出し、ブックと唱えて下さい」
「…ブック」
ーポワン…
分厚い本のようなモノが現れた。
「此のゲームをクリアするにはあるカードを100枚集めなければなりません。
其れはカードを収めるバインダーになります。
つまり、此のゲームをクリアするには其のバインダーを完成させる事です。
最初の頁を開いてみて下さい」
言われた通り、頁を開いてみる。
「カードはまだ一枚も入っていませんが、ポケットには其々番号がふってあります。
其の番号と同じカードを入れられる事が出来ます。番号が違うカードは入れる事が出来ません。
此れを指定ポケットと言います。
そして、後ろの頁には番号のないポケットがあります。
どんな番号のカードも入れる事が出来ます。其れをフリーポケットと言います。
ナンバー0から99までの100枚を集める事が此のゲームのクリア条件となります」
「…で、其のカードはどう集めればいい?」
「プレイヤーがアイテムを入手した場合、其のアイテムを触れた時にカード化されます。
其れと、カードには限度化枚数があります」
姉ちゃんからの説明をちゃんと聞いてる俺。
大体は理解した。
バインダーを出したり消したりする時には、ブック。
入手したアイテムを、武器なんか使う時には、ゲイン。
ゲインでカードから実体化させたアイテムは一度使うと元のカードには戻せない。
様々な種類のあるカードの中、ナンバー0から99までのカードを指定ポケットに収めればいい。
「最後に、もしプレイヤーが死んでしまった場合…
指輪と中のカードは全て消滅しますのでご注意下さい」
死んじまたったらカード所じゃねぇだろ。
つーか、其れを言う前に死なないようにご注意下さい、が普通じゃね?
「此処での説明は悪まで最低限の情報です。
此れからはゲームを進めながら情報を集め、カードを集めて下さい。
其れでは、ゲームスタートです!」
外に出ると、何1つない草原だった。
階段を下りて鹿丸たちを待つ中、かなりの視線を感じた。
「監視か…?」
初めてくるプレイヤーを狙う輩ってのは何処行ったっているんだな。
そんなんする前に自力でカード見つけろよって話。
「胸糞悪りぃな…此の視線」
「見られてるのは分かるけど、複数の方向だから定まらないね…」
「監視役は体力勝負のもんだからな。近くに町があるって思っていいだろ」
「つー事で、左と右どっち行く?」
そっちから視線が感じる。
イコール、町があるって事なんだろ。
「俺はどっちでも」
「俺もー」
「じゃあ左ね!」
「…」
ゆっくりと歩みを進めた。
ま、ゲームだし?
気楽にな。
そして、ゆっくりと歩いていた俺たちに向かって1つの気配か近付いてくる。
「…………空か!」
空を飛んでやってきた其れは、紛れもなく人間だった。
其の男は辺りをキョロキョロと見渡すと、薄気味悪い笑みを浮かべた。
「スタート地点の近くだって事は、君たち此のゲームは初めてかい?」
「さぁ、どうかな…」
「(トボケても無駄さ。こっちがバインダーを出してるのにすぐバインダーを出さないなんて初心者も同然)」
男のバインダーは出た状態。
俺たちは一枚すらカードを持ってないからバインダーを開く意味がない。
すると、男は何やら一枚のカードを手にしていた。
「ふぅん。ゴンくんとキルアくんと鳴門くんと鹿丸くんか…」
バインダーを見つめながら男は言った。
どうして俺たちの名前を知ってるんだ…。
バインダーに其の情報が?
「どうして名前が分かったの?」
「さぁ、何でかな。
(此奴らスペルカードも知らないなんて、まるっきり初心者だな)」
男はまた何かのカードを手にしていた。
「トレースオン!キルアを攻撃!」
「何!?」
カードから不思議な現象が起きた。
男が叫んだ瞬間、カードから変な光が出たと思ったら其の光はキルアへ真っ直ぐ向かった。
「Σっ」
キルアは距離を取り、光から逃げるがキルアの動きに合わせ光はキルアに向かっている。
どうゆう事だ…。
「アーッハッハ!バーカ!ゲームのスペルからはどうやっても逃げらんねーよ!」
スペル??
光がキルアに直撃した。
だが、痛みはないらしい。
そして、キルアはゆっくりと男を見つめた。
「(他プレイヤーの情報はかなり重要だからな。
今のスペルで此奴らの居場所は手に入とるように…っ)」
「俺に、何した…?」
殺し屋の目になり、キルアは男へ踏み込んだ。
「(ヤバい!此奴ただのガキじゃねー!)
リターンオン!マサドラへ!」
男はまたカードを手にして、そう叫べば変な光が出てまた空を飛んで行った。
「あんな魔法が使えるカードもあんのか」
「スペルとか言ってたな?」
「対象になった奴は逃げられない。だが、かけるカードがあるなら解くカードもあるんだろ」
此れはやっぱり早く町に行った方がよさそうだな。
暫く歩くと、町が見えてきた。
「懸賞の町、アントキバへようこそ、か…」
壁に貼られた紙が大量に目に付く。
「此れ全部カードが付いてくるんだね」
「しかしすっげー数だな」
「アイテムが手に入るって事?」
「探し犬。見つけた方に呪われた幸運の女神像を差し上げます…」
どう見ても指定ポケットに入りそうなカードじゃねぇな…。
「あ、アレ!」
ちょっと離れた場所に建物があった。
其の壁には1月から12月までのイベントを記した表示。
ゲームの世界でも日数は同じだと言うのが分かり、毎月15日開催の月例大会に参加を試みる事にした。
今日は9月11日で後4日、其れまでは他の懸賞に挑戦すると言ってゴンとキルアはノリノリ。
一番始めは腹が減ったからと、大皿のスパゲティを時間内に平らげる懸賞。
其れがクリアすればカードを一枚もらえるとか。
「鳴門と鹿丸はしないの?」
「俺、きっとそんなに食えねぇし」
「俺も」
「さじゃあ俺とゴンで挑戦するぜ!」
ドン、と置かれたスパゲティに頭を抱えた。
「よーい、スタート!」
こんな量何処に入るんだと思わせる程、みるみると減ってくスパゲティ。
ブラックホールか。
2人は見事完食。
スパゲティはタダになったが、飲み物であるジュース代は払ってもらうと言い出す亭主。
「1020ジェニーアルよ!」
「ちぇ、完食したんだからマケろよな。
ほら」
キルアは財布から金を取り出した。
「此れ、何アルか?」
「何って金だろ?10000ジェニー」
「何言うアルか!此の島でのお金は此れじゃないと使えないアル!」
そう言って見せて来たのはカード化したお金。
ま、ゲームの中に入って来たんだから金はゲーム方式に従わないと。
金の存在を知ったばかりの2人は無銭飲食をやらかしたとして、ジュース代を働ぃて返す事になった。
「俺ら外で待ってるからな」
「頑張れよー」
巻き添は勘弁だから。
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