プレートと卒業
強化系、モノの持つ働きや力を強化する。
変化系、オーラの性質を変える。
放出系、オーラを飛ばす。
操作系、物質や生物を操る。
具現化系、オーラを物質化出来る。
特質系、他に類のないオーラ。
六性図と言われるモノがあり、六角形の形をしていて自分の属性とより近い能力は覚えられるが逆に一番遠い能力は覚えるのは無理に等しい。
「自分の能力が分かった所で、直ぐどうこうしようとはせずゆっくり自分に合った能力を見つけて下さい」
其れからと言うもの、俺たちは水見式の修行を毎日欠かさずしていた。
戦闘期間ギリギリまで。
そして、ゴンは漸く決意した様子だった。
6月10日。
ピエロモドキにプレートを返すべく、ゴンはピエロモドキとリングの上に立っていた。
見つめ合う2人。
「…戦闘能力も何もかも勝ってるピエロモドキに、どう一発食らわせるか…」
「ゴンの事だから、戦いながら見つけるって」
「…ゴン…」
先に動いたのはゴンだった。
素早い攻撃を休む暇なく続けるが、ピエロモドキは其れを軽く避けている。
大きく動くゴンに対し、ピエロモドキ余裕かましてやがる。
其の証拠に、ピエロモドキは試合が始まってから一度たりとも其の場を動いていなかった。
「くっそー!」
そしてまた攻撃。
今度はピエロモドキが仕掛けてくる。
フェイントを入れての攻撃がゴンに入り、ピエロモドキにヒットが入った。
「(そっか、ただ攻撃しても避けられるんだったらヒソカみたいにフェイントいれればいいんだ!)」
リングの石板を引っ剥がし、拳で叩き砕き割る。
「いい目眩ましを思いついたな」
「瓦礫に隠れてしまえば…」
「行け!ゴン!」
瓦礫の影を利用してのゴンの拳は、ピエロモドキの頬を捉えた。
「Σっ…」
ーガツッ!
「クリティカルヒット!2ポイント!」
ピエロモドキを捉えた其の拳をゴンは見つめると、クルリと軸を返す。
そして、2人とも互いに距離を詰める。
「…」
「…☆」
ゴンが上着のポケットから、44番のプレートをピエロモドキに差し出せば、其れを受け取り、ピエロモドキは奇術師らしく手品のように消してみせた。
「君、強化系だろ?」
「Σ何で分かったの!?」
「ふふふ、ダメだよ。そんなに簡単にバラしちゃ。本当、可愛いなぁ☆」
「煩いなぁ!」
オーラ別、性格分析?
あー、そう言えばウィングも言ってたっけ?
オーラの性質は生まれ持ったモノだって。
「強化系は単純一途」
「「(あってる…)」」
ゴンを見つめながら思った。
かなり頑固だし。
「(あってるっす…)」
ズシはウィングを見つめていた。
「因みに僕は変化系。
気をつけなよ?変化系は気まぐれで嘘つきだから…☆」
「(俺の事か…?あってるけど)」
「(操作系も教えてほしいっす!)」
「具現化系は神経質。
放出系は短気で大雑把。
操作系は理屈屋でマイペース。
特質系は個人主義でカリスマ性がある。
と、僕が考えた性格分析だよ☆」
「(自分、理屈屋なんすね…泣)」
「そしてもう1つは、何様俺様人間様な完璧主義者だよ」
彼奴…、神化系の事何処で知ったんだ…。
ネテロの爺さんと其の周りの一部しか知らねぇ筈なのに…。
しかも、あってるし。
「何故、彼が知ってるのか不思議なくらいですね…」
「彼奴の情報網は何処にあるんだろうか…」
だよな。
もしかして、其の神化系の能力を持った奴に会った事が…?
「さて、続きを始めようか?ゴン☆」
其れからの試合はピエロモドキとの差は歴然だった。
ゴンとピエロモドキの戦闘能力は歴然。
為す術ない。
伸縮自在の愛(バンジーガム)を付けられた事にも気付かなかったんだ。
いいように翻弄されて、ゴンは負けた。
其れでもプレートを叩き返せた事に満足してるだろう。
もし、悔しがってたら拳骨食らわしてる。
其の後、キルアの初戦が始まった。
オーラで槍の間合いを伸ばした、変化系。
流石に念の使い手だけあってか、少し押されていた。
「…」
そして、衝撃波がキルアをいたして襲った。
其れを両手をクロスしてガードした後…
「…」
キルアの目が暗殺者の其れになっていた。
血は変えられねぇもんな。
仕方ねぇっちゃ仕方ねぇよ。
だが、まだ自分を抑えられないキルアは子供だな。
其処もちゃんと自制心を付けさせなきゃいけねぇか…。
「鳴、次試合だろ?」
「嗚呼。で、其の後鹿だっけ?」
「嗚呼」
2人とも、念使う事なく勝利を収めた。
もちろん観客席の奴らを楽しませる事は忘れてない。
瞬身だけ使って相手をかなり苛々させてたし。俺も少し楽しかったから。
鹿丸は面倒くさがってすぐ勝利してたけど。
そして、ウィング宅にやってきた俺たちは先程の試合についての反省会をしていた。
「俺、ヒソカと戦って分かったんだ。
自分があまりにも弱かったって事」
ピエロモドキも其れをゴンに教える為に、最初はワザと手を抜いてた。
「そうでもありませんよ。ゴンくんはあのヒソカ相手によく頑張りました。
勝った試合より負けた試合の方がいい勉強になります」
キルアも自身の試合について、酷かったと自覚はしているようだ。
我に返って、気付く。
此れをどう改善させようかな…。
其の後、ウィング宅を出た俺たちは町で夕陽を見ながらソフトクリームを食べていた。
「ズシは最上階目指してるんだよね?」
「はい!でも自分まだまだっす」
「じゃあ、今から俺の部屋で練習すっか!」
「うん!ねえ、鳴門たちもくる?」
「遠慮しとく」
「同じく」
あの新人狩りの3人が、ズシを使って勝ち星を稼ごうとした。
其れをゴンとキルアが激怒した。
キルアがうちの1人を脅し、残った2人はゴンとキルアと対戦し奴らをギャフンと言わせていた。
「今日の試合、見事でした。申し分ありません。
後は基本に磨きをかけ、創意工夫を持って独自の念を構築していくのみです。
自分の資質を踏まえた上で、独創性への展開。
何も思い、何に怒り、何を好み、何を求めるか。
何処を旅し、誰と出会い、どんな経験をするのか…。
其れら全てがアナタたちの未来を形作ると同様に、アナタたちに最も相応しい念の形を示してくれるでしょう。
其れを見極め、見に付ける事。
其れが必ずやアナタたちの未来をよい方向へ導いてくれる筈です。
ゴンくん、鳴門くん、鹿丸くん、
裏ハンター試験合格です。おめでとう」
キルアにはもう一度ハンター試験を受けるよう勧めたウィングだった。
「必ず受かります」
晴れて、裏ハンター試験を合格しウィングとズシと別れた俺たちは。
「金も稼いだし、プレートも返したしやる事なくなったな。
9月1日まで後1ヶ月半あるし、どうすっかなぁ…」
「キルア…?もし、よかったらね…?」
「ん?」
「いっぺん、家来ない…?」
「クジラ島のか?」
2人の会話を聞きながら、俺と鹿丸は顔を緩ませる。
もう、此の2人は大丈夫だな。
何があったって、友だち同士だ。
そう感じた。
「鳴門も鹿丸も、ミトさんに会いに帰らない?」
「嗚呼、そうだな」
「幻影旅団ってのもついでに調べとかねぇとな」
俺たちの旅はまだ続きそうだな。
[ 19/43 ]
[
*prev] [
next#]
[
しおりを挟む]