脱出とサバイバル

 
あの後、意見がバラバラ。

クラピカは慎重に行動するべきと。
数人は待ってられないと。

ま、別に俺はどっちでもいいんだけど。
取り敢えず船使ってゼビル島へ行けっていうのは変わりないだろうから。

そして、また船内を探索した。
此の船は元軍艦。
ゼビル島へは小舟でも1日て着く距離だと言う事が分かった。

そして、無線機を任せておいたポックルから通達。

『ノイズが混じるようになってきた。
どうやら大気が不安定になってきてるようだ』

「嵐、か…」

「其の手使えるな」

「え?」

「どうゆう意味だ?鹿丸」

「穏やかの海より、波があった方がモノは動くってもんだ」

「なる程な」

嵐を利用して岩場に挟まった船体を動かそうって。

「レオリオ、昨日潜って見つけた大砲何処らへんか覚えてる?」

「あ、嗚呼」

「其の大砲で、船がめり込んだ岩を爆破させよう」

其れからの行動力は凄いモノを感じた。
半蔵は散って行った受験者を説得し、10人くらいの人数から30人近くに増やしてくれた。
そして、軍艦の大砲もレオリオが見かけたと言い持ってあがるのに成功した。
船を固定してある太いパイプと鉄板は、爆弾に詳しい赤鼻の男とスナイパーの女が破壊。
スクリューに絡まった藻はゴンとキルアが除去。

準備が着々と進む中、また天候が悪くなった。
沖に竜巻が発生し、風も強まり波も出てくる。

其れでも此処から出ようとする気持ちの方が強かったのか、皆生き生きとした顔をしていた。

島に来て2日目の夜…
すべての準備が完了した。

「よし、撃てーー!!」

発射された大砲は岩めがけ一直線。
連続で発射され、スクリューを回せば、漸く船体が岩から離れ…

「やったーーー動いた!」

横で体全体使って喜んでいたのはゴンだった。

「疲れた…」

其の他は緊張の糸が抜けたのか、連絡網として使っていた声の届くパイプから、安堵の溜息が殆どだった。

「よし、此れでもう安心だろ」

船体も安定した走りを見せていた。








翌朝、脱出した俺たちを迎えたの賞金首狩りのリッポーだった。
受験者全員軍艦から飛行船に乗り換え、集まった受験者たちを前にリッポーは何かの箱を持ってこさせた。

「諸君には此れからクジを引いてもらう」

タワー攻略の順番で其のクジを引いていく。

其の紙には数字が書いてあった。

「(受験番号か…?)」

リッポーが此の四次試験の説明を始めた。
狩る者と狩られる者。

俺と鹿丸は隠す必要がない。
だって、襲われたって返り討ちにする確率100%だし。

「プレートをかけたサバイバルゲームだよ」

自分が引いたプレートは3点他は1点。
合格するには6点が必要だと。

「自分のプレートは3点。
ターゲットのプレートと自分のプレートを守り通せば合格と言う事になる」

だとすると、ターゲットだけのプレートだけでいいんだ。

「其れでは諸君の健闘を祈る」



其れにしても一週間って長すぎないか…?

飛行船からまた船へ移動し、其の侭ゼビル島へ。

島へ上陸した瞬間、各受験者たちが森へ入っていく。

「鹿、30分だ」

「了解。30分後に此処でいいか?」

「嗚呼」

俺の相手が分かった。
あの顔に変な何かを付けてた奴。
ピエロモドキと一緒にいた。

「さて、狩るか」

森へ入った途端、奴の気配を追った。

そして、5分程かけて奴を見つけた。

「…」

カタカタカタカタ、とブリキのオモチャみたいに鳴る顔を目の前に、俺はニヤリと笑った。
コソコソ隠れるような事、性格上似合わないんだ。
どうせ倒れるのは相手の方だから。

「悪いけど、プレートくんない?」

そう放ってもカタカタカタカタと、音が鳴ってるだけで返事はなかった。

「…」

すると、其奴は顔に付いてる何かを抜き始めた。

「(…針?)」

全て抜き終われば、奴の顔が次第に変形していきしまいには髪の毛も生えてきた。

「すげーな、其れ」

黒髪長髪の男だった。
表情がない、其れと血の臭いがプンプンしやがる。
変形前と後じゃ臭いめ違ってくるとかアリなの?

「君、海の上歩いてたよね」

「喋れるんじゃん」

雰囲気で言えばピエロモドキと同類、に近いか。

「壁も歩いてたっけ?かなりビックリしたよ」

しかし、随分余裕だな…。

「凄いよね。俺さ、夢だったんだよねー、壁を垂直で歩くの」

「そんな小さな夢でいいのか?お前…」

「小さい?逆だよ。男のロマンだって。
俺は垂直に壁を歩く奴や海の上をあるいてる人間なんて見た事ないから。
君は其れを普通にやってのけたんだ。
興味出るでしょ?」

無表情でしゃべるもんだから何だか気味悪くて仕方ないんだけど…。

「あ、でも海の上も歩いてみたいなぁ…ねぇ?どうしたら出来る?」

首を傾げる其奴。

「プレートくれたら教えてあげる」

「いいよ」

「軽っ」

「残りは誰か狩るから」

そんなに知りたいんだ…。

「はい、此れ。早く教えてよ」

プレートを本物だと確認し、受け取った俺は傍にあった木に足をつけた。

「足にチャクラ集めて吸い付ける。
海の場合、自分の体重を支えるだけのチャクラを一定量放出し続ける」

そして、垂直に登ってみせた。

「…」

「教えたからな。
此の世界でも頑張れば出来るんじゃない?」

だって、教えて?って言われただけだろ?
嘘は言ってないよ。

チャクラ練れる奴いないだろうけど。←

「ねぇ、君名前は?」

「鳴門…アンタは?」

「イルミ、イルミ・ゾルディック」

ゾルディック…。
キルアの兄ちゃんがどうして此処に…。

「あ、キルには内緒で頼むよ。彼奴知らないからさ…きっと怒ると想うんだよね」

「分かった。プレートくれた代わりに黙っててやるよ」

「また会った時は本気で戦おうね」

戦う前提なんだ…。
ま、会ったらな……。

じゃ、と手を上げて其処を去った。




そして、約束した場所に戻るとまだ鹿丸は戻ってきてはいなかった。

木に登り鹿丸の登場を待つ。
其れから10分程して現れた鹿丸。

「随分遅かったな?」

「変な3兄弟に邪魔された」

プレートはターゲットと+いらない3枚を持っていた。

「そうゆう鳴は早かったな」

「くれたんだ」

「…?」

「崖歩いてたのも、海の上歩いてたのも見ててさ。
俺の夢なんだよね、だから教えて?って言われて、じゃあプレートくれたら教えるっつったらくれたんだ」

「随分あっさりくれたもんだ」

「イルミ・ゾルディック」

「ゾルディック…キルアも確か…」

「そう、キルアの兄ちゃん。かなりの変装のプロだよ」

アレは誰にも真似出来ない。
顔に針刺して変形だもん。

俺無理だし。や、人間誰も無理。

「キルアには黙ってろってさ」

会話しながらの移動。

狩る者と狩られる者の心理戦と忍耐力と緊張感と程よいスリル。

「キルア発見」

「彼奴ら…」

キルアを発見したのはいいけど、其の前にいたのは変な3兄弟。

「キルアー!元気?」

「いきなり現れんなよ!心臓に悪いな!」

「「ゲッ!!」」

降り立った俺たちを見て、正確には鹿丸を見て変な3兄弟は気持ち後ろへ傾いた。

「鹿丸此奴ら知ってんの?」

「俺の行く手を阻んでちょっとムカついたからプレート奪ってやった」

「マジ?ねぇ、何番?俺さぁ誰か分かんなくって困ってんだよねぇ」

199番が誰か検討も付かないらしい。

「お、あった!」

「俺はもう狩って6点揃ったからいらねぇからやるよ」

「Σはぁ!?揃ったってマジ!?まさか…」

ゆっくり俺の方を見るキルア。

「10分もかからなかった」

「俺20分くらいかな?此奴らに邪魔されたし」

「お前ら絶対変!!」

キルアの顔を見てたらふと、イルミを思い出した。
兄ちゃん、ね。

年取ったらキルアもあんな感じにねるのかな…。

「はぁ…超人を越えてるよ2人とも…」

「どうもありがとう」

「…」

「もう突っ込むのもめんどくなってきた…。
あ、そうだ鹿丸其のプレートいる?」

「いや」

欲しい、と言うキルアに残り全て渡すとキルアは変な3兄弟を見て、ニヤリと笑った。

「返して欲しい?」

何と意地の悪い。←

「取ってこい!」

力いっぱいに投げられてプレートは其々の違う方向へかなりの距離を飛んでいった。

「「Σあーーー!!」」

悲鳴を上げながら取りに行ったであろう3兄弟を俺は少し、ほんの少しだけ可哀想だと思ってしまった。

「ふう、スッキリした。
ねぇ、此れからどうすんの?」

「プラプラして時間稼ごうかなって」

「島もどんな場所があるか見たいし」

そう軽く言ったつもりだったんだが、キルアの顔が真面になった。

「なぁ、ゴンの相手知ってるか?」

「いや」

「誰だよ」

「ヒソカだよ」

何とも今日のゴンは付いてない。
ピエロモドキのプレートをゴンが奪わなきゃならないって…。
強運は何処いった。え?

「だからさ、ゴンを見ててやって欲しいんだ。
彼奴、頑固だからさ自分で何とかするって言って聞かなかった…
普通、相手がヒソカだったら…」

死ぬかもしれない?

「俺は手だしはしない」

「鳴門!」

「まぁ、最後まで聞けって。出だしはしないが、危なくなったり殺られそうになった時はもちろ助けるつもり」

「ホイホイ助けてたら、ゴンの為にならねぇよ」

まぁでも、頑固者の扱いは任せておけ。
 

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