破一護→白

 
アニブリ、斬魄刀の実体化で思い付いた内容です。

行方不明になってる白哉がどうなったかを知らない人、
まだ実体化編を見ていない人は、多少ネタバレ要素を含んでいるのでブラウザバックをお薦めします。






















「見てよ、惣右介。
随分と面白そうな事になってんだね…v」

「嗚呼、実に愉快だ」

モニター室。
目の前にある椅子に座る藍染 惣右介。
其の膝の上に乗る、黒崎 一護は藍染の首に腕を回し、寄り添っていた。

「しかし何なんだろうね、あのムラマサって斬魄刀…」

「そうだね…ザエルアポロが見たら興味を示しそうだ」

笑みを深める藍染と一護。

幾つもの画面に映る、死神と持ち主を裏切り刃を向けた斬魄刀たちの姿。

斬魄刀たちが実体化し、尸魂界に突如として現れた。
其の斬魄刀たちを操る謎の斬魄刀、其れがムラマサだった。

画面に映る、黒崎 一護は藍染 惣右介の斬魄刀、鏡花水月の能力により偽の一護を演じ、尸魂界に送り込ませていた。
尸魂界に送り込ませた鏡花水月に代わり、本物の一護は虚圏の虚夜宮に帰って物語を眺めていた。

たかが斬魄刀の反乱だと、
此れはすぐ終わると、
一護が出るまでもないと、
そう思っていたのに結構梃子摺(てこず)っていて、しかも六番隊隊長の朽木 白哉が死神を裏切っていた。

「もうそろそろ、間近で見たいかい?」

「…行ってもいいの?」

藍染からそんな言葉が出てくるとは思っていなかったからか、一護は目を丸くしていた。

「行きたそうにしてるじゃないか」

クスリ、と笑い藍染は一護の頬にキスを送った。

「じゃあ、偶には此の姿で行こうかな。鏡花水月、あの侭使わせといて」

「分かったよ。気を付けて」
























霊圧を消して、斬魄刀たちのアジトに足を踏み入れた。

カツカツ、と足音が響き、中にいた斬魄刀たちが一斉にこちらを振り返った。

「だ、誰だテメェ!」

檜佐木 修兵の斬魄刀、風死(かぜしに)が、声を上げた。

「俺?俺は、ただの通行人?
何か面白そうだったからさv」

ニッコリ、と笑いながら周りを見渡す。
其の中には朽木 白哉もいて、興味なさそうに視線を反らしていた。

「だってさ…死神である朽木 白哉が裏切るなんて、面白い他に何があると思うの?」

「………貴様は、誰だ?」

名前を言われ、白哉は反らしていた視線を一護に向けた。

「分からない?」

響転で白哉の傍に移動すると、一護を間近で見た白哉は目を見開いた。

白哉は一度、見た事がある。
目の前にいる目の色を…。

「貴様、もしかして…」

「あれ…やっと分かってくれた?そう、俺だよ。黒崎 一護」

目を細め、笑いそう言った瞬間に、斬魄刀たちは驚きに声を上げた。

「黒崎 一護だと…?」

「嘘ッ…さっき…でも、其の顔と其の髪は何なのよ!」

「そうですわ!黒崎 一護は短髪でしたわ!!」

千本桜(せんぼんざくら)、灰猫(はいねこ)、飛梅(とびうめ)が声を上げる。

「ならば問う。
兄は…今の兄の姿は何だ?」

「此れ?此れは本当の俺の姿だよ」

「本当、の…?
では、私たちが今まで見てきたアレは何と申す…」

白哉がそう言うと、一護は手をゆっくりと顔の横まで上げると、指をパチン、と鳴らした。

―ズズズ…

すると、此の場所の目の前の溜まっている大量の水の上に何もなかった空間が急に亀裂が走り、大きく開き、次に死神の姿が映し出された。

「「「アレはッ!?」」」

其処には、鏡花水月で作り出された一護の姿も…。

『朽木隊長が斬魄刀側についた!?』

『其れは本当かッ!?』

『白哉が、俺に刃を向けたんだ…』

映像だけではなく、音声も一緒に流れてきた。

「黒崎 一護…?!」

「でも、此処にいる奴は…」

「じゃあ、アレは何なのよ!」

「鏡花水月、って言ったら分かるでしょ?
死神の斬魄刀だったアンタらなら…」

「「煤I?」」

目を細める一護に対し、斬魄刀たちはまた目を見開いた。

其れは、其の名前に聞き覚えがあるからだ。
死神を裏切り、犯罪者となった藍染 惣右介の斬魄刀の名前だ。

「兄…藍染と繋がっていたのか…?」

「あの…あの裏切り者とか!?」

斑目 一角の斬魄刀、鬼灯丸(ほおずきまる)が吠えた。

そんな言葉に、一護は鼻で笑う。

「裏切り者?何言ってんだよ、アンタらだって裏切り者だろ…?
死神から離れ、今は死神たちを殺そうとしてる。
此れの何処が裏切ってない、なんて言える?」

言い返せなかった。
一護が言った其れは、正論だったからだ。
斬魄刀たちは、持ち主から離れ殺して自分たちの存在を知ら示ようと、している。
本能の侭…。

「まぁ、俺は死神なんて死のうが生きようがどっちでもいいけど…」

「どうゆう事だ…?」

反論したのは、風死だった。

「…俺は、死神が勝とうがアンタらが勝とうが、どっちでもいいって言ってんだよ。
俺は、其れに混じって楽しむだけ…。
どうせ、俺らと戦うのは、避けて通れない道だろ…?」

そんな話をしていると、またもカツカツと足音が聞こえ、すぐに声が聞こえた。

「何をしている…」

謎の斬魄刀、ムラマサだった。

「…誰だ、其奴は…?」

「黒崎 一護、ですって…」

「狽チ…貴様、何故此処にいる…其れに、何だ其の髪は…」

斬魄刀たちが今までの事を説明すると、目を見開いた。

「安心してよ、どっちの味方じゃないから。
俺は死神代行でも人間でもない、破面だ…ほら」

首筋にあるゼロの数字を見せた。

「秤ス!?」
「ゼロ、だと…!?」
「そんな…」
「アンタが黒幕だったの!?」

声を上げる斬魄刀たち。

「俺は死神が大嫌いでね…
殺したくてウズウズしてんだよ…
どうせ殺すんなら、其れなりのストーリーの中で面白可笑しく、したいでしょ?」

「…兄。兄は何の為に今まで私たちとともにいた?」

「白哉…俺はさ、かなり強欲でね…。
自分が楽しめたら、何でもするんだよ。何でも…
大嫌いな死神の仲間の振りでもね。
ねぇ、白哉。此れが終わったら俺と一緒に行かない?」

「兄と一緒にいる分には私も楽しいからな、いいだろう」

白哉の放った言葉に斬魄刀たちがまた声を荒げる。

「テメェ!俺ら側になったんじゃねぇのかよッ!!」

「そうよ!死神のアンタが破面側に付くなんて!!」

「愚かな。私は貴様らの仲間になった覚えなどない。
言ったであろう、私は私の本能の侭に動くと…」

そう白哉が言うと、斬魄刀たちは押し黙る。

「黒崎 一護。流石は私が目を付けた男なだけはある。
まさか、此処までの奴とは知らなかった…。
しかし、私の声が通じなかったのは、アレが偽物だったからか…」

「鏡花水月は其の人物其のものになれる訳ないからね。
其れより、死神とアンタたちどっちが生き延びるか…」

また映像に目を向けた。

『兄様、が…』

『白哉の事だ、何かしら策があっての事だろう』

「嗚呼、此奴は袖白雪(そでのしらゆき)の…」

「朽木 白哉の義妹だろ?」

全員が映像に目を向けていた。
白哉の義妹のルキアがベッドで上半身だけ起こした状態で、浮竹に白哉の事を言われてる場面だった。

「白哉」

「何だ」

「俺の仲間になるって言ったよな?」

「嗚呼、其れがどうした?」

「だったら、非道になって。
今まで仲間だった死神を裏切れる?」

「嗚呼」

「躊躇せず、殺せる?」

「無論だ。男に二言はない」

表情1つ変えず、一護の問いに答えた白哉を見て一護はクスリ、と笑った。

「じゃあ、今から殺しに行こうか…v」

「「「煤I?」」」

「構わぬ」

「「「狽ネ!?」」」

―パシッ…

斬魄刀たちの間を擦り抜けようとした瞬間、一護は腕を捕まれた。

「……何」

一護の腕を掴んだのは、風死だった。

「其の話が本当だって言うなら、朽木 白哉の義妹の袖白雪を何の躊躇もなく、殺せるよな?」

「ちょっと!持ち主以外に斬魄刀を倒したら!!」

「…殺して、いいの?」

一護の顔が、目が袖白雪を捕らえる。

―ゾクゥ…

思わず身震いしてしまう程、一護のあの表情に恐怖を感じてしまった。

まるで、己が言った言葉に対して何の戸惑いも見せず、獲物を見付けた…そんな目をしていたからだ。

「白哉、悪いけど…恨むなよ?」

「私は構わぬ」

「じゃあ…」

一護はそう言うと、響転で袖白雪の前に移動した。
とても、嬉しそうな顔をして…

―ザクッ…

「ッ…!!」

「っちぇ、浅いか…」

胴体の残り半分がまだ繋がっている。
袖白雪は後ろに飛び、空中に膝を付き、出血している所を手で押さえ一護を睨む。
ドバドバと流れ出た血は下にある透明な水に落ち、赤く染めた。

「マジ、かよ…」

「そんな…」

斬魄刀たちの視線が一護に集まる。
そんな中、一護はまたも響転で袖白雪の前に移動した。

そして、ニッコリと笑って…

「やっぱり、たかが斬魄刀だね…」

「な、ん…だと…?」

はぁはぁ、と乱れた呼吸の中、袖白雪は刀を握り締める。

「まぁ、あの攻撃を避けたのは褒めてあげるよ。
死神だったら、あの時点で真っ二つだっただろうからね…
でも、もう此れで終わりだ」

そう言って一護は刀を…
























パキン…。























斬魄刀の中で一番美しいと言われる刀。

真っ白な刃が2つに折れ、其れを一護が手に取る。

「此れで分かった?
ま、俺はアンタら斬魄刀と死神の敵には変わりないんだけどね」

クスリ、と笑う。
そんな一護を見て、斬魄刀たちは唖然とした。

まさか、まさか本当にするとは思っていなかったからだ。

平気でやってのけた一護を、目を揺らげて見るしか出来なかった…。

「白哉、行こうか」

「嗚呼」

響転で白哉の前に移動して、ゆっくりと歩き始めた。

カツカツ、と足音をさせながら斬魄刀たちを横切り、アジトを抜けた。

「兄」

「ん?」

「兄の其の姿を知っている者は死神にいるのか?」

「いないよ、白哉が初めて」

「そうか。ならば、正体をバラすと言う事か?」

本来の一護の姿を死神の前に出す事が、どんな事か。
破面としての一護、として死神と向き合い刃を交えるのは、此れが初めて。

「鏡花水月にはまだ、黒崎 一護として演じていてもらうつもりだからまだバラしたりしないよ。
取り敢えず、ルキアに此れ返さないとね…」

握り締めた折れた袖白雪を見つめて、一護はクスリと笑った…。


End...?

続くかも、しれません。
思い付きなのでストーリー的に内容めちゃくちゃですが、我慢して下さい!!←
もう分かってる通り、駄文しか書けませんからッ(;_;)

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