藍染破一護 バレ?

 
「藍染さま」

「どうしたんだい?ウルキオラ」

「グリムジョーが破面を連れて現世に入り込んでしまったのですが、如何なさいますか?」

「私がそう指示したのだよ。ウルキオラも、行ってくれるかい?」

「分かりました」

「其れから要、一緒に行って王を迎えに行っておいで」

「本当に宜しいんですか?藍染さま」

「いいんだよ」

「…では、行って参ります」

藍染とウルキオラと東仙による会話。
ウルキオラは藍染の命令により東仙と一緒に空間に亀裂を作り、現世への扉を開いて其の中に入って行った…。















満月の月明かりが綺麗な夜。
静かに寝静まった頃に、破面の霊圧を感じた俺は目を冷ました。

「煤cったく…何でこんな時間に!」

死神の姿になって、俺は外へと飛び出した。




俺何も聞いてねぇっつーの!

と怒りを露にした俺が、破面の霊圧のある場所に向かうと、其処には3人の破面。
見知らぬ破面が2人、もう1人は見知った、グリムジョーが上空に浮かんでいた。

命令されてないのに来た馬鹿な奴らか…?
いやいや、グリムジョーは此の前勝手な行動して惣右介に怒られたばっかりだぜ…?

また、懲りずにやってきたのか…?

「斑目と綾瀬川は他の場所にいる」

「じゃあ、俺たちは此奴らを倒せばいいんだな?」

「気を付けるのよ!」

「嗚呼」

でも、本当に気を付けるのはお前らの方だと思うんだけどね…。

限定解除の要請を尸魂界に出して、破面たちとの戦いが始まった。

「よぉ死神」

「グリムジョー!」

―キィイン

刀を交えた時、小さな声で俺はグリムジョーに話しかけた。

「どうゆう事だよ此れは…聞いてねぇよ俺」

「俺が知るかよっ…藍染に言われてきただけだ」

「惣右介に…?ったく、何考えてんだかあの人はっ!!」

惣右介の指示できたのは、理解しよう。

つーか、本当に何も知らされてないんだけど…?
何を企んでんの?

「今回は存分にやれるぜ、一護」

「其れはそうだけど、何か嫌な予感が…」

「ぁあ?何だよ其れ…」

「俺の感はよく当たるんだぜ?グリムジョー…」

「知らねぇよ!そんなの」

会話をしながらちらりと冬獅郎の方を見てみたら、卍解状態でも苦戦していた。

限定解除待ちって言ったって、たかが知れてるし…。

本当、弱いな此奴ら…。

「呆れてモノも言えねぇよ…」

溜息を付いて、久しぶりにグリムジョーと刀を交えられるから、血が騒ぐ。

「何がだよ」

「グリムジョーの事じゃねぇよ。さて、やりますか」

俺は斬月を構えた。

「卍解!」

「そうじゃねぇとな!」

卍解した俺を見て嬉しそうに口元を持ち上げた。

「かかってこいよグリムジョー」

相手してやっから。
どうせ、後からウルキオラらへんが止めに来るだろうし、其奴が来る前に存分に楽しもうぜ。

グリムジョーとの戦いは久方ぶりだ。
傷を付けたり、付けられたり。

他の破面たちと戦っても、本気で向かってくる奴がいなくて、楽しくないんだよね…。
其の代わり、此のグリムジョーは本気で俺に向かってきてくれるから、楽しいんだよ。

グリムジョーとの戦いに夢中になっていると、

―ズズズズ

「煤c!」

夜空に亀裂が入った。
そして、其処から顔を出したのはウルキオラと要だった…。

「やっぱり…か」

予想していたとは言え、要まで出てくるとは思ってなかったよ…。

さて、惣右介は何がしたいんだ…?

「東仙っ!!」
「ウルキオラ!!」

グリムジョーと冬獅郎の声が重なった。

元は惣右介の指示だとか言ってたけど、ウルキオラや要が出て来るとは思ってなかったんだねグリムジョー…。
凄く吃驚してるよ。

「何しに来やがったウルキオラっ!」

「藍染さまのご命令だ」

「は、?」

亀裂から出てきたウルキオラと要は、一直線に俺の方に向かってきた。

「ウル…要」

そして、目の前で止まると要は俺に手を差し出してきた。

「何のつもりだ?」

「お迎えに上がりました、一護さま…」

迎え、だって…?

「聞いてないけど…」

「藍染さまが突然、言い出したのですよ」

惣右介が突然ねぇ…。
何を企んでいるかと思ったら、此れって…。

「黒崎っ!!」

「一護!!」

後ろで俺の名前を叫ぶ冬獅郎と乱菊さんを、振り返ってニコリと笑って見せた。

「黒崎…?」

「…何で笑ってるのよ!早くこっちにいら…」

「悪いけど」

乱菊さんの話の途中に割り込んで、俺は要の手を取った。

「迎えが来たみたいなんだ…v」

「何を言って…」

「一護!どうしたのよ!!」

要の手を取ったのが本当に信じられないのか、冬獅郎と乱菊さんはかなり焦っていた。

「どうもしないよ?」

「破面っ!黒崎に何をしたっ!!」

あらら…何を血迷ったんだか…。

「何もしてはいない」

「そうだ。一護さまは元から我々の王だ」

「秤ス…だと…?」

「一護、アンタ…王って何なのよ…」

もう、仕方ないよね?
迎えにきたし、俺が虚圏の王だってバラされたし…本当の俺の姿見せても。

「其の侭の意味だけど?」

そう言って俺は、死神の姿から、本来の姿に戻った。
王として、破面wとしての姿を。

「「狽チ?!」」

声にならない程のダメージを与えられたみたいだ。
2人は本来の俺の姿を見て、驚愕していた。

首筋に見える零の数字も、月明かりで2人にはっきりと見えてるだろうし。

「いい事教えてあげようか?」

「…っ」

表情を無くし、睨むようにして俺は2人を見つめた。

「俺はもう人間じゃねぇんだよ。
とっくの昔に死んでるんだ…死神に裏切られてさ」

「「狽チ?!」」

「あの時、あの場所に死神がいたら、俺も母さんも助かってたかもしれない…

死なずにすんだかもしれないのに…」

目の前で母親の死ぬ姿を見せつけられて、おまけに母親の魂まで食う姿を…。

「其の近辺を任されてた死神は…
虚を倒すのが死神の仕事なのに、其奴は俺たちを助けもせずに逃げ出したんだぜ?」

笑えるだろ?
逃げ出すくらいなら、最初から死神なんてするんじゃねぇよって言いたくなる。

「そんな…」

俺が死神に抱く感情は、そう、怒りだ。
怒りで可笑しくなってしまいそうな程に…

「俺は大嫌いなんだよ…テメェら死神が!!」

ヤバいかなり腹立ってきた…。
其れに気付いたのか、ウルキオラが俺の手を握った。

「一護さま、戻りましょう。藍染さまがお待ちです」

俺は冬獅郎たちに背中を向けた。

「黒崎っ!!」

「一護っ!!」

虚圏への扉が開かれて、其の中へ入った時、もう一度振り返る。

「今度会う時は息の根止めてやるから覚悟してろよ、死神」

月明かりが、段々と閉じてく扉で遮(さえぎ)っていった…。












「お帰り、一護」

「ただ今…」

惣右介のいる玉座の間。
俺たちの帰りを待っていた惣右介は玉座に座っていて、俺の姿が見えると、フワリと優しく笑った。
でも今はそんな気分じゃない。
嫌な事思い出しちまった…。

無表情の侭、俺は惣右介の傍に近付いてチョコンと膝の上に座った。

「ご機嫌ななめですなぁ一護ちゃん…」

「一護…?」

「ん〜…昔の事思い出したんだ…
そしたら、気分が悪くなってさ…腹が立って腹が立って、やれないんだ…」

そう言いながら俺の瞼が段々と重くなってきた。

何でこう、眠いんだろうか…。
さっきまで全然、平気だった、のに…。

「…眠…」

其れから直ぐに、俺は寝息を立てていた。
疲れた子供のように、ぐっすりと。

【グリSide】

「おやおや。寝てしまったね」

「可愛えぇ寝顔やねv」

此の狸と狐は、かなり一護を溺愛してる。
其の一護はあの狸をだ。

今に始まった事じゃねぇけど…。

「ウルキオラ、一護を私の部屋に連れて行って寝かせてきてくれるかい?」

「畏まりました」

藍染から一護を受け取って、ウルキオラは玉座の間を出て行った。
そして、静まった玉座の間で俺は藍染を睨みながら、近付いた。

「オイ藍染」

今はそんな溺愛だの何だの言ってる場合じゃねぇ。
今日の任務の事だ。

「何だい?グリムジョー」

「いきなり迎えにくるなんざどうかしてるぜ?
一護の奴、聞いてないって拗ねてたぞ?」

「其れは悪い事をしたな…。
でもねグリムジョー…
今夜は満月で、いい月明かりだったから」

俺がそう言うと藍染の奴はまた訳の分かんねぇ事を言い出した。

「は?テメェ…何が言いてぇんだよ」

そんな藍染に俺は眉間に紫波を作った。

「綺麗な満月の夜で、月明かりを浴びながらの別れも、悪くないと思ってね」

其れを見たかっただけかよ…。

「其の為にわざわざ俺を使いやがったのか…?」

折角、一護と楽しい殺り合いしてたってのによぉ…。

「悪気はないんだよグリムジョー。
あの月明かりを浴びながら別れを言う一護を、どうしても見たくてね…」

「っけ…折角楽しもうって時にテメェはよ…

はぁ…で、見た感想は?」

「とても美しかったよ」

藍染は、俺たちが現世にいた時の映像を頭の中で思い出してるかのように、目を細めて笑っていやがった。




End...

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