ギン副隊長一護

 
仕事もしないで

サボってばっかで

ヘラヘラ笑って

心配ばかりかけて…

優しくて

俺を守ってくれた

そんなアナタが好きだった。

好きで好きで、大好きで…。







行かないで…

俺を置いて、

何処かに行かないで…

ねぇ、待って

お願いだから

俺の前から、

消えないで下さい…。


市丸、隊長…。



貴方は、遠い所へ行ってしまった。

俺を連れ去ってでも一緒に連れて行って欲しかった…。

今からでも遅くないなら、どうか俺を…――――。



















貴方が、藍染隊長たちと犯罪者になった時。
俺たちの目の前からいなくなった日…。

貴方は、そっちに行く前にこう言ってくれた。

『必ず迎えにくるから、其れまで待っとってな』

隊長、其の日は必ずやってくるんですか?

ちゃんと…俺を迎えに来てくれるんですか…?
毎日、貴方が来る日を楽しみに楽しみに、待っているんです。

「隊長…早く、迎えにきて下さい…」

貴方が傍にいるなら、俺は悪にだってなります。
染まってみせます…。

此の心も体も、貴方に出会った時から全て貴方に捧げたのですから…。

だから、早く迎えに来て下さい…

「市丸…隊長…」

「2人きりの時はギンって言う約束やったやろ?」

懐かしい声の後、其の人物の腕が俺の体を抱き締めた。

「……っ…」

顔だけ振り向くと、ニコリと笑っていた隊長がいて…
途端に涙が溢れた。

ずっと、待ち焦がれて
ずっと、会いたくて
ずっと、楽しみにして

体の向きを変えて抱き着いた。

「遅そぉなったけど、迎えに来たで一護ちゃん」

「本当に、遅過ぎます…!」

「ホンマ堪忍してな?」

もう来ないんじゃないかって、何度思ったか…。

「隊…ちょ…っ…!」

隊長を見上げて、手を伸ばす。
顔に触れて、本物だと確かめて…。

「ほらまた。ギン、やろ?」

言いながら、流れた涙を指で拭ってくれた。

「ギンっ…」

「もっと、もっとボクの名前言うて一護ちゃん…」

「ギン…ギンッ!」

そっと額に口付けてくれた隊長は、俺の体をそっと離す。

「ボクと一緒に、行ってくれへん?」

差し出された手に、何の躊躇もなく俺は自分の手を隊長のに重ねた。

「迎えに来るのが遅そぉなって、ホンマゴメンな」

重ねた手を引かれ、また隊長の腕に包まれた。

「此れからも…ずっと、傍にいて下さい……離れな……ぃで……」

「其のつもりや」

其の前、空間が裂き、扉が開き隊長と俺は其の扉の中に入って行った。







例え仲間を裏切り、悪になろうが俺は其れでも構わない。

其れでも貴方の傍にいたいんです。

貴方の傍にいる事が、俺の幸せだから―――。




end...

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