黒幕一護 バラし

 
ウルキオラの黒虚閃により、一護の胸に開けられた穴。

「……………」

落とされた一護の体を、織姫の能力で受け止め、地面へ。

無惨にも胸に穴が空いた一護を見て、涙が溢れていた。

力なく膝を付く。






















どうしよう


どこかで


黒崎くんなら

大丈夫だと

感じてた




黒崎くんなら

勝ってくれる・って



信じることで

眼を背けてた






とめどなく流れる血が、一護の周りに広がっていく。

頭を抱え、涙を流す。





どうしよう

どうしよう
どうしよう
どうしよう

どうしよう





ドッ、と音がして目を向けると

「……石田くん……!」

左腕の手首から先がなく、ドバドバと血が大量に地面に血の水溜まりを作っていた。

「…心配ないよ、もう麻酔も止血剤も打った…
井上さんは……黒崎を頼む」





どうしよう


どうしよう
黒崎くん

どうしたらいいか
わからないよ


なにも

なにも
わからない


くろさきくん

くろさきくん
くろさきくん
くろさきくん

くろさきくん




「たすけて黒崎くん!!!!」

織姫の叫び声が辺りに響き渡る。

「そうやって、自分が叫んだら助けてくれると思ってんのか?
なぁ、井上」

織姫はゆっくりと後ろを振り向いた。

其処には、角の生えた仮面をし、腰まである髪をした、一護がいた。

「………え……?」

「……黒……崎……?」

そして、一護は仮面を外した。

虚化した時と同じに目の白い部分は黒くて、其の目で一護は織姫を見下ろしている。
冷めた目で、向けられた視線を織姫は背ける事が出来なかった。

「お前、何でも人に助けてもらおうとするのヤメたら?」

「…………う、そ…」

「ウル」

「は」

一護がそう呼ぶと、何時の間にかウルキオラが一護の前に現れ片膝をついた。

「石田が邪魔かも、殺せ」

「御意」

そう言いウルキオラは、石田に近付いてく。

「い、や………いや、やめて………やめ……」

長い尻尾が石田の首に絡み付き、

「ぁ゛っ…な、に…す…!!」

そして石田の体が宙に浮く中、絡まった尻尾を掴み石田は足をバタつかせる中、ウルキオラは人差し指を石田に向けた…。

「ぃ…いやぁあああああっ!!!!!!」

「死ね」

「っ………」

黒虚閃が石田を貫いた。

尻尾を緩めるとバタン、と倒れ、溢れ出る血は石田の回りをジワジワと広がっていった。

「ぃ…石田…くん…?
うそ…やだよ…そんな…!」

ゆっくりと近付いてく織姫の前に、一護が立ち塞がった。

「何してんだ井上」

「だって…石田くんが…」

「女、貴様はこちら側の捕虜だと言う事を忘れたのか?」

何時しか一護の後ろにウルキオラも立ち織姫を見下ろしいた。

「………っ…」

織姫を無理矢理立たせ、一護の傷を治させた。

「一護サマ」

「どうしたの?」

「申し訳ございません」

「ん?気にすんなって」

「ですが、こんなに…」

「もう治った」

少し口を緩めると、ウルキオラは頭を下げた。

織姫を連れ、一護たちは玉座に移動した。
ウルキオラは元の姿に戻り、一護は白死覇装に着替え。

そして…

「ウル、井上を頼んだよ」

「御意」

一護は未だ東仙が開けている其の先に消えて行った…。

















偽の空座町に新たに現れた破面に、既に其処にいた死神たちは目を丸くした。

「何だ、此の霊圧…!」

「アレは…」

「見た事ある髪の色だねぇ」

「隊長っ…」

「あぁ…」

長い髪を靡かせ、右手には斬魄刀を持って、ゆっくりと歩く其の様に押し黙る程の迫力があった。

「遅くなってゴメンね、惣右介」

声を発すると更に死神たちは顔を強張らせた。

「な…黒崎、一護…?!」

「何故、君がそっちに…」

「藍染の仲間、だったのか…!?」

「一護、アンタ…!!」

死神たちの驚きを隠せない其の動揺した様子を見て、一護は口元を緩めた。

「こっち側では、初めましてだね。死神さんたち…」

「紹介しよう、此の方は我らの王の一護さまだ」

死神たちを見つめる一護は、不敵に笑っていた。

「宜しくな」



End...

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