一時休戦2

 














「我愛羅は此の部屋。昴はこっちの部屋な?俺は此処の部屋にいるから用があったら何時でも来ていい」

やはり火影の家。
入った瞬間広いと思ったが、奥には更に広い部屋が何個も…。

「分かった」

「嗚呼」

もう既に零時を超えようかとしていた頃、寝室に早くも案内された。

パタン、と鳴門が部屋に入った。

「……」

「……」

しばしの沈黙。
明日は仕事がもちろんあるのは知っているが、そんなに早く寝なくとも…と。

「…今日は一時休戦って言ったよな」

「嗚呼、言った」

「此処は手を組まないか…」

「貴様の事だからそう言うと思っていた」

じゃあ、一時間後…と言葉を交わし二人は部屋の中へと入って行った…。






一時間後…〜

ガチャ……キィィ……

ゆっくりとドアを開ける。

「あ」

「ピッタリだな」

秒を指す針が丁度、零を指した瞬間ではないだろうか。
鳴門の事になると二人共此れ…。

「さて、夜這いしに行くぞv」

「…//」

そう言って鳴門の部屋へと近付く我愛羅と昴。

音が出ない様にゆっくりとドアを開けると、大きなベッドにポツンと鳴門の姿。

「…スー…」

もうすっかり眠りに入っているらしく、規則正しい寝息を立てていた。
そんな鳴門に近付き、鳴門の寝顔を覗き込むと

「(可愛い〜v)」
「(可愛い…//)」

頬の筋肉が緩む。
そして、顔を見合わす二人。

「(本当は一人がよかったけどな…)」

「(サボり魔の貴様が仕事なんてして来るからだ)」

「(鳴門に会うには仕事しなきゃいけなかったんだよ!あ〜ぁ、鳴門と甘い夜が…)」

「(フン。そんなヨカラヌ事を考えているからバチが当たったんだ)」

「(そう言うお前も考えてたんだろ。お互い様じゃねーの?…まぁ其れよか)」

目線だけでそう会話をすると、音を立てず二人はそっとシーツの中へと潜り込んだ。

鳴門を囲うようにして。

「…スゥー…」

密着した状態で、片手ずつ手を握り鳴門の可愛い寝顔に笑みを零す二人。

「おやすみ鳴門」
「おやすみ鳴門」

揃ってそう言って、鳴門の頬にキスを送った…。







身動きが出来ない窮屈な感覚を感じた鳴門…。
目を開けると、もう陽は射していた。

「…ん…狽!?」

右を見たら我愛羅のドアップ。
左を見たら昴のドアップ。

「「…」」

気持ちよさそうに寝息を立てている。

「…」

其の寝顔があまりに可愛くて、ついつい笑みが零れてしまった…。
何時も喧嘩ばっかりしてる二人が大人しく同じ場所で寝ているなんて、と。

「…って、何で此処にいるんだよ此奴等…?」

昨日はちゃんと部屋を用意した筈では…?と疑問に思う所なのだが…

「な…るとぉ…v」

「…」

二人の寝顔を見ていると、そんな疑問冴えもどうでもいい様に思えて来た…。
どんな夢見てんのか、とまたしても笑みが零れる鳴門。

「まだ早いし、もう一眠りすっか」

そう言って鳴門はまた瞳を閉じた…。




偶には、こうゆうのも悪くはないな…。




End...

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