nearly equal

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エドワードの規定スケジュールはきっちり把握しているアルフォンスだが、残業や突発の任務までは教わらない限りは知り得ない。
テーブルに伏せているエドワードの隣を陣取って、アルフォンスはまだ寝ぼけ眼の兄の顔を覗き込んだ。

「まだ終わらない?」
「…終わった、よ…」

欠伸混じりの返事を返し、エドワードは眠そうな眼をしぱしぱと瞬かせる。
微睡む子供のような姿が可愛くて、アルフォンスの顔には自然な笑みが浮かぶ。

夜勤明けのエドワードはこれから帰って明後日は日勤。アルフォンスは明後日から一週間の夜勤に入るのだが、夜勤調整で明日は休み。明日は久しぶりに二人の休みが重なる日だった。
エドワードには早めに帰宅しゆっくり休んでもらい、今夜の営みに備えてもらいたいところだが、アルフォンスには今、それよりも気になる事があった。


「…お尻、どうかしたの?」

口調には気を付けたつもりだったが、問い詰めるような雰囲気になってしまったのは、アルフォンスがすっかり真顔になってしまったからだ。

エドワードはまだ目が覚めないのか、僅かに目を瞬かせた後、また微睡むように目蓋を閉じた。アルフォンスが後頭部を撫でてやると、気持ちが良いのか口元が緩い弧を描く。

「…兄さん」
「ん……」

解れた髪を耳に掛けてやりながら指で耳朶を擽ると、エドワードはむず痒そうに身を捩った。

「…もう家に帰る?」
「ん……」
「まだ、帰らない?」
「んー……」
「どっちだよ…」

眉を顰めたアルフォンスは、エドワードを撫でていた手を引っ込めた。午後休憩か、食堂に俄かに人が増えてきたからだ。

エドワードはすっかり眠りこけて、寝息まで立て始めてしまった。アルフォンスだと分かっているから、エドワードは悪戯に触れてくる指を拒まない。心地良さそうな顔をしてと独り言て、アルフォンスは形良い耳元にまた、そうっと囁きかけた。

「…本当に、お尻、どうしたの…?」










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