※ふわっと現パロ
※変態(?)コラさんとその彼女
※会話文

『そう言えばさ』

「うん?」

『私がまだ学生だった頃のことなんだけど』

「へえ、思い出話か。いいな。聞かせてくれよ」

『いい話ってわけじゃないけどね。ちょっとしたストーカー? みたいなのに遭ったことがあって』

「はあ?!」

『まあ何かされたとかじゃないから、気のせいだったのかも知れないんだけど』

「何だよそれ! おれ聞いてないぞ!」

『そりゃ言ってないもん』

「言えよ! んで、何があったんだよ」

『ん〜、駅からアパートまでの帰り道をずっとつけられただけ』

「?! だけ、じゃないだろ! 大問題じゃねェか! 家突きとめられたら終わりだぞ!」

『そうだよね〜今考えたら恐ろしい話なんだよね〜』

「…ったく…今度そんなことがあったらすぐおれに相談しろよ?」

『わかってるって。でも警戒心が薄れちゃうのも無理ないと思うんだよね』

「開き直る気か?」

『いや、そうじゃなくて。つけられてるかも、って最初に感じたときさ、1回振り向いてみたんだけど、後ろのほうにいたのお巡りさんだったんだよね』

「巡回してたってことか?」

『たぶんね。だからやっぱ気のせいだったか〜って気が抜けちゃって、そのあともあれ? って思ってもまたお巡りさんかな〜とか思ったりしてさ』

「そりゃあまあ、気持ちはわかるが…。毎回確認したわけじゃねェなら、ほんとにつけられてたかも知れねェだろ…」

『まあ実害がなかったからさ』

「はあ…。そう言や、おれが交番勤務だった頃にも、名前みてェに危機感のない女の子がいたなあ」

『へえ、案外いるんじゃん』

「そんとき勤めてたのは駅近の交番でよ。ちょっと歩いたところにアパートがあったから、学生もよく通ってたんだ」

『ふうん。私と条件一緒だね』

「そう。そんで、その子はいつもそんなに遅くに通らないのに、たまに深夜近くに帰ってくることがあって、しかもひとりだし、おれ心配になっちまって」

『コラさんはほんとお人好しだねえ』

「仕方ねェだろ。職業柄ってのもあるし」

『お巡りさんじゃなくても気にしてたと思うよ?』

「そうかあ?」

『うん。それで、その子に注意でもしたの? “夜道は危ないんだから気を付けなさい!”って?』

「いや、巡回の時間合わせたりして後ろのほう歩いてただけだ」

『…ん?』

「ああ、あと、非番のときも心配だから見に行ったりしたかな」

『……ねえ、その子さあ、カバンにおっきめのキーホルダーつけてたりした?』

「! ああ、つけてたな、赤いハートの…。もしかして友達だったか? 」

『私』

「え?」

『わ、た、し』

「ええっ?」

『“ええっ”はこっちのセリフです! 嘘でしょ?! 私のあとつけ回してた正体はコラさんだったの?! そう言えば最初に見たお巡りさん金髪だった気がするな?!』

「えっ、いや、えっ? あれ名前だったのか?! 駅の正面から右に出て、交番前通ってまた右に曲がって、街灯切れかけの薄暗い道の先のアパートに帰るあの子が?!」

『はいもう確定! あのねコラさん、それオマワリサンがやっていいことじゃないよ』

「うっ、いやでも名前にだけだから…おまえにしかそんな親切してねェから…」

『余計にダメでしょ! 深く深く反省してください!』

「はい…」

ダーリンは困ったさん


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