15 思い出した
赤也は確実な記憶から順番に思い返した。
1ヶ月前に雪先輩が火事で亡くなって……
それから、仁王先輩がおかしくなって……
それで……
それ、で
「……思い、出した……」
赤也は呆然として空を見た。
「思い出した?」
赤也はコクンと頷く。
他の皆も思い出すことができたみたいで、呆然と宙を見ていた。
「ここに来たのは……短期合宿する為じゃ、ない」
「うん……」
拳を握りしめる。
「俺たち……
雪先輩が遺したモノを、探しに来たんだ。――
仁王先輩に渡す為に」
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