サイゴの夢 | ナノ


  14 思い出せ


「、皆!! 仁王が!!」


幸村は急いで皆の元へ走った。

皆はそれぞれ必死に雪を探していた。


「仁王先輩がどうかしたんスか!?」
「仁王が、」


山を下りた、と 続けようとしたが、幸村はある違和感に気付いた。

眉をひそめて固まった幸村を 不審気に見る赤也。


「仁王先輩が?」
「仁王が……?」
「え?」
「仁王がどうした?」


固まった幸村を見て、皆が集まってくる。


「仁王、が……? 俺たちは……」


ぶつぶつと呟きながら何かを考える幸村。


「……ははっ」
「幸村部長?」


しばらくして、幸村は突然笑い出した。


「はは……何で思い出さなかったんだろう……」
「何をっスか……?」
「雪の存在は、あんなに疑ったのにね……」


自嘲する幸村を、その他のメンバーは眉をひそめて見ていた。


「赤也、」


幸村は、以前 仁王にしたように、まっすぐ赤也の目を見て言う。


「俺たち……何をしにここへ来たんだっけ?」
「え……?」

問われた赤也以外のメンバーも一緒に考える。


「短期合宿じゃ、」
「合宿じゃないよ。――思い出すんだ。本来の、目的を

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