サイゴの夢 | ナノ


  13 いない


チュンチュン… と小鳥の鳴く声で、仁王は目を覚ました。

見慣れない天井を見て違和感を覚える。


「ここは……」


順をおって記憶を探る。



合宿……


山……


別荘……


雪……




「っ、雪!!!」


バッと起き上がって雪を探す。



どこじゃ……


どこじゃ!!!


どこに居る!!??


雪っ!!!!



別荘内を駆け回る。


「仁王っ!?」
「、幸村!! 雪はどこじゃ!!!」


仁王が別荘内を駆け回る音に気付いた幸村が慌てて来た。
仁王は幸村に詰め寄る。


「いないんだ、」
「いない……?」
「俺も、皆も……今、必死になって探してる所だよ。……でも……もしかしたら、もう……」



それ以上言うな



聞きとうない




雪が……いなくなった……?


そんなはずない



「雪は……ずっと、傍にいるって……」
「仁王、」

ふと、窓の外を見る。

快晴だ。


「……山を、下りたのかもしれん……」
「仁王!?」
「行ってくる……」
「仁王っ!!」


幸村の手を振り切って走り出す。


絶対、雪は まだ何処かにいる。


絶対……







見つけるからな




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