サイゴの夢 | ナノ


  11 どういう意味?


「……わかってるって……言ったじゃないか……」


幸村は拳を握りしめ、声を震わせた。


その時 ガタ、と赤也の後ろから音がした。
赤也は振り向く。
そこには、


「……今の………どういう、意味じゃ……?」


顔面蒼白の仁王がいた。
赤也は仁王の真っ正面から言った。


「仁王先輩。思い出して下さい」
「何……を、」
「雪先輩は死んだんです」
「死ん……だ……?」
「雪先輩は、1ヶ月前に、火事で死んだんです」
「赤也、」


幸村が赤也の止めに入る。
しかしそれより早く、仁王が笑い出した。


「ハハハハッ、何の冗談じゃ、そりゃあ」


でもその笑いは、どこか自嘲的で……。


「仁王先輩……」
「雪が死んだ? さっきまで一緒にいたのに?」
「仁王先輩、」
「赤也」


仁王の声が1トーン下がる。
仁王は赤也の首に片手をかけた。


「俺を怒らせるなよ……?」


赤也は怖じることなく、自分の首にかけられた仁王の腕を優しく掴んで、仁王の目をしっかり見て言った。


「仁王先輩、しっかりして下さい。雪先輩はもういないんです」
「まだ言うんか、赤也」


ぐっ、と 赤也の首にかけられた手に力がこもる。


「仁王!!」


慌てて幸村が赤也と仁王を離す。


「幸村、赤也をどうにかしんしゃい。変な夢でも見たんじゃろう」
「仁王」


幸村も、しっかり仁王の目を見て言う。


「今赤也が言ったことは本当だよ。……雪は、1ヶ月前に……亡くなったんだ」








ガタ、








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