俺は生きた | ナノ


  4 恥かいた


『あ、』


次の日、運良く一人で歩いている柳くんを発見した。
昨日のお礼言わないと。


『柳くん』
「、お前は……B組の神崎陽毬か」
『うん』


同じクラスになったことも無いのに私の名前わかるなんて……
さすが柳くんだ。


「何か用か?」
『あ、昨日は本当にありがとう。それだけ言いたくて』


こんな所柳くんのファンクラブの人に見つかったら大変だ、と思い、じゃあね、と立ち去ろうとした。
しかし――


「何のことだ?」
『え?』















『や、やだなぁ柳くん。昨日の夜、路地裏で不良に絡まれてる私を助けてくれたじゃん』
「……昨日の夜? 何のことだ?」


あっれえ……

あれは柳くんじゃなかったの?
何か自信無くなってきたよ。


「すまないが、何を言っているのか俺には理解し難いのだが……」
『え、あ、時間取らせちゃってごめん……』


私は逃げるようにその場をあとにした。

何でこんなことで恥じかかなくちゃならないのおおおおお!?

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