俺は生きた | ナノ


  17 いない



蓮一……
神崎は……
お前のことが好きなんだと……





……お前、俺の存在を知ってたのかよ





……知ってたさ。
随分昔から……





……蓮二?





……神崎は、俺ではなく……お前を……望んでいる





蓮、二……?





俺は……必要ない





何言ってんだよ、蓮二





神崎はお前が好きなんだ。
お前が神崎の傍にいれば、神崎は幸せなんだ。





どうしたんだよ、蓮二……?





……じゃあな、蓮一





蓮二……?





神崎を幸せにしてやれよ……
俺の、たった一人の兄弟……





蓮二っっ!!!!






















『柳くん!? 柳くん!!』
「ぅ……」
『柳くん!!』


柳くんが目を開けた。


――この色……


『……蓮一?』
「……蓮二が……、」
『え……?』





































「蓮二が……いない」

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