14 止めよう?
観覧車に乗った後、蓮一はずっと外の風景を見ていた。
『……出てこないね』
「ん?」
『柳くん』
彼の視線を外の風景から逸らしたくて、適当なことを口に出してしまった。
「……そうだな」
『……ねえ、蓮一。もしこのまま、その身体が蓮一のものになったら、どうする?』
蓮一は少し驚いて、頬杖をついていた手を離した。
変な質問ばっかしてるな、私。
「……もしそうなったら、あいつの事なんか忘れて、人生を謳歌するな。俺の人生だ」
『……そっか』
また、静かな空間が広がる。
『ねえ蓮一……』
「……何だよ」
『……もう、止めたら?』
「、何を」
私は蓮一の目を見て言った。
……相変わらず、綺麗な瞳。
でも、その瞳は違う。
『ね、
……柳くん』
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