13 疲れた
『次あっち行こう!!』
「……疲れた」
遊園地に来てすぐ、ジェットコースター、コーヒーカップ、お化け屋敷、と刺激的なものを片っ端から攻めていった。
蓮一はげっそりとした顔を手で覆った。
『何よ、もう限界?』
「身体がな」
ふう、とベンチに腰をかける蓮一。
……ちょっとやり過ぎちゃったかな。
近くの自販機でコーヒーを2本買って1本を蓮一に差し出した。
「……何でコーヒーなんだよ」
『アンタ好きでしょう? コーヒー』
そう言うと、ムスッとしてコーヒーを奪い取った。
ふふ、言い当てられて照れてやがる。
『……蓮一』
「……何だよ」
『何で、あの時キスしたの?』
本当は蓮一に会った瞬間怒鳴りつけようと思ったけど、ハプニングが起きてそんな空気じゃなかったから……
私は静かに聞いた。
「……そうしたかったから?」
『……何で疑問形?』
「……自分でもわからないんだよ。俺が何であんなことしたのか」
嘘。
本当はわかってる。
それを自覚してないだけ。
『……蓮一、最後に観覧車乗ろうか』
「……疲れたって言っただろ」
『観覧車は乗るだけでしょ』
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