暁の空へ | ナノ


  86 え、?


相当なダメージを喰らったようにガクッと倒れる変態な忍足。
ざ ま あ ←


「宍戸さんとどういう関係なんですか?」


チョタが聞いてきた。


「あ、大丈夫だよ。あなたの恋人とはなんにもないから!」
「え、こ、恋人ですか」
間違ってもそこで照れるんじゃねえよ鳳!
「おい外まで響いてるぞ岳、人…………」


ドサ、と後ろから荷物が落ちる音がした。


「あ、宍戸さんこんにちは」


いつの間に来たんだよ……

恐る恐る後ろを振り向く。


大きく目を見開いた宍戸と目が合った。


「………有梨、か……?」
「え、あ、はあ。まあ……」
「有梨……っ!」


宍戸は私に駆け寄り、私に抱き着いた。

な、なに……?


「有梨……良かった……無事で……」
「え……?」


ぎゅ、と私に巻き付く腕に力が入る。

いつもの私なら突き飛ばす所だが、私はなぜかそれができなかった。





この感覚……

覚えが……ある……





無意識に、ある人物の名前を呟いた。


































「……れ………お………?」

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