85 お願い
部室に引きずり込まれた後、強制的に椅子に座らされた。
すごい視線を感じて周りを見ると、忍足(変態)、向日、日吉、樺地、チョタ、ジロちゃん(就寝中)が、びっくりした表情で私を見ていた。
良かった、宍戸いないじゃん。
「跡部さん、誰ですかこの人」
日吉が見るからに不機嫌に跡部に問う。
「立海大附属中3年の五十嵐有梨だ」
「立海? 何で連れて来たんです?」
私が聞きたいよ。
一体誰なんだよ会わせたい人って。
「最近宍戸の様子がおかしいだろ? その原因がこいつだ」
「は?」
宍戸の様子がおかしい?
原因が私?
「ちょっと待て。会わせたい人って、もしかして宍戸亮?」
「ああ」
「
帰る」
「
馬鹿か」
立ち上がった瞬間頭を叩かれズドンと椅子に強制送還。
叩かれた頭も痛いけど地味に尻の方が痛い。
「後で育毛剤と付けボクロ送ってやるからさ!」
「
もう一生帰さねえ」
「かっこいいイケメン跡部様お願いします
お願いしますうううううう!!!!」
いや本当マジ帰して家に仁王という病人もいるし早く帰ろうよほらねえ
「ちょ、ちょい待ちいお嬢さん」
「
近寄るな変態。跡部様マジお願いします本当に!」
「初対面なのにこの仕打ち……っ!!」
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