《……は？ 何でやねん》
『木陰は昔のことを思い出しても……今は"忍足謙也"だから、この世界からいなくなるわけにはいかないでしょ？」
《……せやな》


でも、私は……


「私は……もともとこの世界にいなかった人だから……」


もし、トリップする直前のことに"思い出してはいけないモノ"が含まれているのだとしたら……


それを思い出したら……


「私は、この世界からも……もとの世界からも………消える」


これは私の推測にしかすぎないのだけど……不安になってくる。


《だぁーいじょーぶやって！ お前は消えたりせえへん！ せやから元気出しい》
「……うん」


でも、一度不安になると……もうダメだ。


《なあ、夕月》
「何？ てか今は暁ね」
《あ、そうか、スマン。暁》
「何？ えっと、謙也くん」


忍足二人いるし。


《暁は、東京住み？》
「いや、神奈川。立海大附属中３年だよ」
《立海！？！？ 真田とか仁王とか柳生とかいる！？》
「うん」


そういや木陰は立海好きだったっけ。


《ほなら、》
「ん？」




























《来週氷帝で練習試合あるんやけど、見に来おへん？》

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