15 平和な朝
はぁ……
昨日は散々な一日だった……
ニマ生タイミング悪すぎでしょ!
ガンッと乱暴に玄関のドアを閉め、鍵をかける。
「おぅ、おはようさん」
「あ、おはよう」
門を出るとちょうど仁王と出会った。
「今日朝練無いの?」
「サボり」
「馬鹿者」
珍しいな、仁王が朝練サボるなんて。
意外と仁王って真面目な奴だったのに。
いやそれよりも。
「……何で止まってんの。早く行きなよ。遅刻するよ」
「え、一緒に行かんの?」
「え」
どうやら仁王は偶然私と会ったから一緒に登校するつもりらしい。
でもさ、仁王と一緒に登校なんて自殺行動だよ。
仁王ファンに殺されるよ。
「私は命を大切にする主義なんだ」
「あ、いや、でも……」
おどおどとする仁王に私は溜め息をついた。
「学校近くなったら離れるからね」
「! わかった!」
――そう。
何もかも、ここで"仁王と一緒に登校"を選んでしまったのがいけなかったんだ
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