暁の空へ | ナノ


  97 余計なお世話


「おま、な、何でここにいるんだよ」
「ちょっと東京に買い物に行くの」


何でよりにもよって宍戸たちに遭遇しちゃうかな。


「そっちこそどこ行くの?」
「あ? 俺たちは遊びに行くんだよ」
「跡部が遊んでこいって言ってゲーセン3時間遊び放題の券くれたんだよな」


跡部が?

まさか私が今日東京行くのを予測して……?

いやいや、考えすぎだな。うん。


その時、バスのアナウンスが鳴り、向日くんが降りますボタンを押した。


「あ、じゃあ俺ここで降りるから」
「は? 何でだよ。ゲーセンまだ先だろ?」
「何言ってんだよ! お前はこいつとショッピング行けよ」
「「は?」」


俺 長太郎誘って行くからさ!と言って勢いよく降りていった向日。

それを呆然と見送る私たち。


「何なんだよあいつ……」
「気をつかったつもりなんじゃない? いいよ、ゲーセン行ってきなよ」
「いや、場所とか券とか全部岳人に任せてたから……」
「え」
「今日暇だし……行くか、ショッピング」
「マジか」
「つっても俺は女子の好みなんざわかんねーがな
それは知ってる


と、その時、宍戸のケータイがブルブルと震えた。
宍戸はケータイを開くと固まった。


「……」
「? どうしたの?」


ケータイの画面を見せてきたので覗きこむ。

そこには、向日くんからのメールで

〈うまくやれよ!〉

という本文に、向日くんと跡部くんと鳳くんが涙ぐみながらピースしてる写真が添付されていた。


「……」
「……」



余計なお世話をありがとう!

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