93 疲れた
「まあ……でも……うん。ありがとう」
今考えれば、この時の私は恐ろしく冷静だった。
「でも……"テニプリキャラ"は私にとって"紙の中" "画面の中"の二次元の存在だから……恋愛感情とかは、まだ考えられない」
"平凡モブ"な私が こんなにテニプリキャラと関わることになるなんて思わなかったから……
突然そんなこと言われても、まだ何も考えられない。
中身の人は私にとって"三次元"の人だけどね。
「宍戸、……これからも、仲良くいこう?」
「……ああ」
宍戸は はにかんだ。
結局、宍戸と生徒会室で話した後、氷帝の人達の目を盗んで一人で帰ってきた。
今頃宍戸は質問攻めに合っているだろう。
それにしても疲れたわー
グダグダと歩き、家まで1本道になる角を曲がった時だった。
「五十嵐っ!」
「え」
仁王がこちらに走ってきた。
あ、そういえば仁王風邪ひいてたんじゃん!!
「ちゃんと寝てないとダメだよ仁王」
「おま……っ、こんな時間まで帰って来ないから心配しただろ! メールも帰って来ないし……っ」
こんな時間?
メール?
珍しく怒鳴る仁王。
慌てて携帯の画面を見ると、新着メールが7件。
仁王、仁王、仁王、幸村、仁王、幸村、仁王……
「
怖っ!」
「
今気付いたのか」
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