ハイキューアニメ2期おめでとう企画〜リレー小説〜 | ナノ


  5 喉が枯れるまで


お化け屋敷で絶叫が響き渡る数十分前のこと。
列に並びながら、はぐれた原因の二人はプチお説教を受けてしょぼくれていた。

「お前らいつまで沈んでんだよ!」

先程まで爆笑していた田中だが、今はいつまでも沈んでいる二人をを元気づけようとしている。
部長二人は談笑しつつ見守っている。

「だ、だって…」

「だってじゃねぇよ!
はぐれちまったもんは仕方ねぇ。
それより、折角遊びに来たんだぜ?
楽しまなくちゃ損だろ!
それに見ろ、もうすぐ中入れるぜ!」

その言葉に二人はハッと顔を上げる。
田中の言う通り、入り口までは後三グループ程だった。
キラキラと目を輝かせ、そわそわし始めた。
通常運転に戻ったようだ。

「そういえばここのお化け屋敷、最近リニューアルしたらしいぜ!
怖さも倍だってよ!」

「えぇっ!?
俺、昔入った時もすげぇ怖かったのに…!」

子犬のようにぷるぷると震える日向。
及川も人知れず顔を青くしている。
それとは対照的に、影山は目を爛々と輝かせたままだった。
お化け屋敷も初めてなのだろう。

「……あ、そうだ」

急に澤村がぽんっと手を打った。
そして素晴らしい笑顔でこう言った。

「お化け屋敷でゲームしないか?」

「ゲーム…?」

「いきなり何言ってるのさ、キャプテンくん」

「お化け屋敷で叫び声をあげた奴、もしくは一番叫んだ回数が多い奴は罰ゲーム。
シンプルで面白そうだろ?」

有無を言わさない澤村の笑顔に、嫌な予感がする烏野三人はコクコクと頷くことしかできなかった。
ただ及川は自分の危機を感じ、肯定はしなかった。

「ば、罰ゲームって何するの?」

「それは…後のお楽しみってやつだ。
さ、俺達の番だぞ〜」

「え、ちょ、待って!!
俺が先頭!?」

何か言いたげな及川を無理やり押し込み、一行はお化け屋敷へ入っていった。
先頭は及川。それをグイグイ押す澤村。
ガンを飛ばしてる田中に引っ付く日向。
中を物珍しげに見渡す影山という順だ。
ちなみに影山は、予めこっそり澤村に言われた通り、ケータイで動画を隠し撮りしている。
勿論及川をロックオンする形で。

「ぎゃああああ!!!」

突然響く叫び声。
それは及川…ではなく、ビビりまくってた日向のものだった。

「おい日向!どうした急に!」

「な、なんかガシって!!ガシって足!!俺、足!!」

「落ち着け!!」

どうやら足を急に掴まれたらしい。
なんとか澤村が落ち着かせるも、日向は未だに涙目だ。

その後も、いきなり飛び出る大量の手。

「ぎゃああああああああ!!!」

井戸から這い出る貞子。

「うわああああああああ!!!」

追いかけてくる落ち武者など。

「岩ちゃあああああああん!!!!」

一同の叫び声は止むことはなかった。

「も、もうお化け屋敷やだ…!!」

「ど、同感だよ、おチビちゃん…」

結局一番叫び声をあげたのは誰だったのか。
罰ゲームはどうなるのか。


「さて、罰ゲームは……おまえだ」

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