6 罰ゲームの行方は・・・?
「罰ゲームは・・・・・・お前だ」
そう言って澤村が指を指したのは・・・、
「ええ!!?
俺、おチビちゃんより叫んでないよ!?」
「おお俺だって大王様よりは叫んでないと思います!!!」
及川と日向だった。
「いや、確かに二人ともめっちゃ叫んでたな」
「そうっすね」
「田中と影山も同意してる、観念しろ」
澤村は黒い笑顔で及川と日向を見た。
澤村の後ろにいた田中と影山は、及川と日向に向かって合掌した。
((ドンマイ(笑)))
「罰ゲームは、そうだな・・・・・・」
「一発芸とかどうっすかね?」
影山が少しいきいきした様子で言った。
「「は?」」
「おっ!それいいな!!せっかくなら及川と日向でコンビ漫才ってのはどうだ?」
訳が分からないという及川と日向を余所に影山と田中はとても楽しそうにしていた。
「今流行りのラッスン●レライとかどうっすか!!」
「いや、あった●いんだからぁも捨てがたい!!」
「ちょっ!?待ってよ!!ほら、キャプテンくんも何か言ってよ!!」
「大地さん・・・!!」
このままでは何をやらされるか分からない、
そう思った及川と日向は澤村に助けを求めた。
「日向は1年生だし可哀想だから、及川が二つやればいいんじゃないか?」
澤村はとんでもないことを言った。
「ちょ、冗談でしょ・・・?」
「冗談を言ってるように見えるか?」
澤村は黒い笑みを浮かべた。
彼は本気だ、
本気で及川に一発芸をやらせようとしている。
「いい加減諦めろよー」
「そうですよ及川さん」
「そ、そうだそうだー!!」
田中を筆頭に、影山、日向もブーイングを始めた。
ちなみに日向は田中の背に隠れている。
「そこの3人はちょっと黙ってて!!
これは俺の沽券が・・・・・・!!
ああー、もう分かったよ!!やれば良いんでしょやれば!!!」
及川は半分投げやりに言った。
しかし彼には考えがあった、
世間でよく言われる
《イケメンは何をしても許される》
その言葉を信じたのだ。
自分はイケメンであることを知っている及川は、
《イケメンだから許される》
ということを過信したのだった。
「じゃあ、ラッスン●レライからのあった●いんだからぁ、な」
「あの、」
澤村が及川に一発芸をやらせようとしたとき、影山が口を開いた。
「他の乗り物も回りたいので、及川さんが一発芸している間に他の乗り物に乗りたいんすけど・・・」
影山は遊園地に来たのが初めてだ、
遊園地にある様々なものに興味を持つのは当然だった。
「それもそうだな!大地さん、俺らは他の乗り物の所に行きましょう!」
「お、俺今度はジェットコースターに乗りたいです・・・!!」
「日向ボケェ!!メリーゴーランドが先だろ!!」
「ちょっ、影山お前メリーゴーランドに乗りたいのか!?」
影山の発言を筆頭に、次に乗る乗り物についての議論が始まった。
「じゃあメリーゴーランド行ってからジェットコースターに乗ればいいんじゃない?
ねぇ、キャプテンくん?」
「そうだな。まぁ、及川は一発芸やるから関係ないけどな」
及川はさりげなく話題に乗っかることで自分への罰ゲームのことを無かったかのようにしたかった。
しかし、そのことは澤村にはお見通しだった。
「じゃあ、及川が一人で一発芸をやってる間に俺らは他の乗り物に乗ってるから!」
「それどんな拷問だよ!!!」
「ちゃんと一発芸、やるよな?」
澤村は及川に釘を差すように黒い笑みを浮かべた。
結局澤村たちは他の乗り物の所へ行き、及川は一人で一発芸をやった。
及川の一発芸は園内に広まった、
《園内に変な一発芸をする奴がいる》
という噂として・・・。
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