おかしな彼奴ら | ナノ


  5.【HQ!!×庭球】いざ宮城へ!【LINE】


【夕子 と トール☆ の個チャ】



トール☆:着いちゃった☆

夕子:早すぎやろwwww
夕子:30分前やでwwwww

トール☆:いてもたってもいられなくて……
トール☆:あ、俺今日こんな格好してるから 見つけたら声かけてねー
トール☆:[トール☆らしき人の首から下の服装を無駄にピースとか決めポーズとかして自撮りした写真]

夕子:服のセンスいいですね!
夕子:顔写してくれてないのが残念(´・ω・`)

トール☆:本当!?ありがとう〜!!
トール☆:顔は会ってからのお楽しみ☆










【仙台駅ステンドグラス前】


トール☆こと及川徹はステンドグラス前でiPoone片手にニヤニヤとしていた。


(服決めるのに1週間かかったとか言えない!)


結局及川はスガエルこと菅原孝支にフラれた後、自力でスケジュールを完璧に作り上げ、ついでに告白の言葉も準備してきた。


(あああ絶対可愛いよ絶対そう!)


相手は可愛い、自分はイケメンだと信じてやまない彼は、うまくいく時のシミュレーションしかしていなかったのだった。











【夕子を守る会☆】

メンバー:夕子、ひなた、ぜんざい、ビッチビチ、月、エックシ



夕子:こちら遠山金太郎
夕子:あと15分で仙台着くで

ひなた:話は全て聞いた
ひなた:こちら日向翔陽仙台駅到着
ひなた:これからステンドグラス前に向かふ

ビッチビチ:こちら影山飛雄
ビッチビチ:日向と共にステンドグラス前に向かふ

エックシ:こちら白石蔵ノ介
エックシ:特に報告すべきことはございません

月:こちら月島蛍
月:既にステンドグラス前近くの清○記近くの柱の影に隠れて待機中
月:王様たち迷わずに来てね
月:迎えとか行かないからね

ひなた:まよった(´・ω・`)

月:頑張って。

夕子:月さんもうステンドグラス近くおるんか

月:いるよ

夕子:ついさっきトール☆から服装の写真送られてきたから 見つけられたらどんな人か確認してくれへん?
夕子:[トール☆らしき人の首から下の服装を無駄にピースとか決めポーズとかして自撮りした写真]

月:りょーかい

ぜんざい:おきた

月:いないと思ったら寝てたのかよwwwwwwww

ぜんざい:ぬてた

月:ダメだまだ指が寝ているようだ

ぜんざい:おきつる

月:起きてないよwwww

ひなた:あ月島見っけたからちょっと動かないで

月:えー

ビッチビチ:とか言いつつ変な体勢でも止まってそのまま固まってくれる月島

ぜんざい:さすが蛍さん(`・ω・´)キリッ

月:待ってなんでここでキリッwwwwwwww

ビッチビチ:日向影山月島合流
ビッチビチ:これなんか海流の名前っぽくね?ぽくね?

ひなた:萩○月うまそ

ひなた:

ビッチビチ:

月:

夕子:どした?

ひなた:

ぜんざい:何かあった?

月:

ビッチビチ:

エックシ:ここはエクスタシーな人口呼吸が必要やな

ぜんざい:すんません死んでください。

ビッチビチ:オイカワサン

月:及川サァン

ひなた:ダイオオサマ

ぜんざい:及川さん?

夕子:翔陽、それじゃあ大大様やで

月:説明しよう!
月:及川さんとは本名及川徹

ひなた:青葉城西高校3年

ビッチビチ:北川第一中出身

月:青葉城西男子バレー部主将

ひなた:ポジションはセッター

ビッチビチ:存在がイラッとくる

月:口癖は

ひなた:「食べちゃうぞ☆」

ビッチビチ:「ウッヒェヒェヒェヒェヒェヴェッヴェッ☆」

月:「俺以外のイケメン死ね☆(一日一回)」

ひなた:「とびおちゃああん☆(一日二百回以上)」

ビッチビチ:「ハァイコニャニャチワwwwwwボクノナマエハwwwwwwトォルクゥンダヨwwwww(一分三回)」

ぜんざい:つっこむべき?

月:ありがとう光
月:あと百個くらいレパートリーあるから大変なことになるところだった

ぜんざい:大変なこと #とは
ぜんざい:いやそれよりその及川さんがどうかしたん?

月:及川さん=トール☆

夕子:ふぁっ

ぜんざい:まじか

エックシ:金ちゃんは俺が守る

ぜんざい:いや金太郎は俺が守るんで。
ぜんざい:じゃあトール☆は蛍さんたちの知り合いってこと、か……

夕子:え?じゃあ ト↑ー↓ル↓ やなくて ト↓ー↑ル↑ ってことか!

月:ト↓ー↑ル↓だよ?wwwww

ひなた:月島それはボケなのか?ボケなのか?

ぜんざい:面白くなってきたwwwwwwwww

ビッチビチ:いや笑い事じゃない

月:いいじゃん面白いwwww
月:王様は見たくないの?
月:好きな相手が男だとわかった時の絶望の顔の及川さん

ひなた:連写するんですね、わかります

月:僕は動画班

ビッチビチ:っぐ……っ!!
ビッチビチ:っくそ……!!
ビッチビチ:俺の右手が勝手にカメラ連写設定のボタンを……!!

月:本能には逆らえないよ、王様

ぜんざい:この三人一緒に居るはずやんな……?
ぜんざい:及川さんとビッチビチさんは何かあるんですか?

ビッチビチ:及川さんとビッチビチさんは出身中学校が一緒なのよ

ひなた:もちろん部活も

エックシ:じゃあ元先輩ってことやんな?

ビッチビチ:せやねんせやねん

ぜんざい:あ、着いた

月:何が?

ぜんざい:仙台

月:
月:ファッ!?
月:光も仙台来てんの!?

ぜんざい:あれ、言っとらんかった?wwwww

夕子:白石も一緒やで〜

月:聞いてないよちょっと謎の緊張してきたよ
月:緑の窓口まで迎え行くから待ってて

ぜんざい:謎の緊張wwwww
ぜんざい:おおきに助かる

ひなた:じゃあ俺達は大王様の実況でもするか!

ビッチビチ:よっしゃ
ビッチビチ:おっと!?ここで及川、iPooneを取り出して画面を鏡代わりに髪の毛を整え始めた!

ひなた:先程から女の人が何人も大王様に声をかけるが大王様はにこりと笑って
ひなた:多分あれはこう言っている!

ビッチビチ:「ハァイ子猫チャンたち☆ 一緒にパニーニダンス踊らなァい?☆ 合いの手も入れてネ☆ せーのっ パニーニ!(ケンメァ) パニーニ!(メンメァ) パニーニパニーニパニーニ!(ケンメァ!!)」

月:ちょwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

ひなた:それを聞いた女の人たちは名残惜しげに去って行く!

ビッチビチ:あんなこと言われて名残惜しげなのか……

月:いや考えたの王様だからwwwwwwwwwwwwwwwwww

ひなた:おおっと!?ここで大王様はiPooneを見て焦り始めた!!

夕子:今そっち向かってるってライン送ったんやwww

ビッチビチ:明らかに挙動不審
ビッチビチ:セクハラで捕まればいいのに

月:公然わいせつ

ビッチビチ:あ、多分それ













【仙台駅緑の窓口付近(Zside)】


「ふぉー!着いたで仙台!」

「やっぱりちょっと涼しいなぁ」

「ねむ……」


仙台に到着した遠山金太郎、白石蔵ノ介、俺の3人。

蛍さんが迎えに来てくれると言う緑の窓口の近くで大人しく待つことにした。
蛍さんまじ優しい。


「月島さんってあれやろ?眼鏡5個に対して眼鏡ケース26個の人やろ?」

「……。いやまあそうっスけど……外見的な特徴は、身長約190、金髪、黒縁眼鏡、ヘッドホン、だったはず」

「へー!めっちゃでかいやん!!!」


俺はまぁバレーやっとるしな、と言いながら周りを見渡す。


「あ」

「あ」


身長約190。
金髪。
黒縁眼鏡。
ヘッドホン。


全ての特徴に一致する人と目が合った。
向こうは目を細めて俺を見る。
……あ、そうか。
俺は自分の耳にあるオリンピックカラーのピアスを見せた。
するとその人は無表情ですたすたと近付いてきた。


「蛍さん……すよね?」
「……うん。はじめまして」


蛍さんを見上げる俺に、蛍さんは少し照れながら手を差し出し、俺はその手を握った。
ああその顔反則っすわ……
手が空いてたら迷わずシャッター切るんに……


「想像通りの人や」
「光も。想像通り……オリンピックカラー」


ニヒルな笑みを浮かべる蛍さんは想像通りの息が合いそうな人だった。


「月島にーちゃんでっかいなぁ!わい遠山金太郎や!よろしゅう!」

「……よろしく」

「……」


俺は一切の無駄な動き無く、わしゃわしゃと金太郎の頭を撫でる蛍さんを今度こそこっそり写真に収めた。


「白石蔵ノ介や、よろしゅうお願いします」

「……?」

「?何か?」

「……いや、ちょっと知り合いと声がそっくりだったもんで。よろしく、エクスタシーさん」









(Tside)



「!金太郎おおおお!!」

「しょーよーおおおお!!!」


二人共ジャンプしてとんでもない高い位置でガシッと抱き合う従兄弟同士の金太郎と日向。

金太郎のジャンプ力に俺と王様は目を見張り、
日向のジャンプ力にエクスタシーさんと光はびっくりしていた。

さすが従兄弟同士……いつ見てもとんでもない運動能力だよね。


「あ、こんにちは!日向翔陽です!」

「あ、影山飛雄っす」

「遠山金太郎や!」

「財前光っす」

「白石蔵ノ介や。よろしゅうお願いします」


一通り自己紹介を終えた所で、さて、と遠山が急に真剣な顔になった。


「作戦は……ええな?」

「あ、ごめん、ちょっと変更してもいい?」


"作戦"――それは、"夕子"が出会い厨と会った後、僕たちで出会い厨から"夕子"を引き離すという単純なもの。

当初の予定ではただ出会い厨の絶望の顔をカメラに収めて"夕子"を回収して終わりだったが、出会い厨が大王様だとわかったら話は別だ。


「なんや?月島にーちゃん」

「相手はあの大王様。大王様を弄り倒すチャンスなんて今しかない」

「どうした月島が何か言い出したぞ」

「遠山、女子っぽい服装は?」

「あるで!」

「あるの!?」

「じゃあそれに着替えて、最初は"夕子"で近付こう。それから、白石は夕子の彼氏的な設定で」

「わ、わかった!」

「そないなことやったら大歓迎やで」

「つ、月島……?一体何を……?」

「……っククク……」

「月島が壊れた」

「……題して、"二度あることは三度ある〜及川徹三大ショックを生み出す〜"……!!」


この時の月島蛍の表情ほどキラキラしたものは見たことがなかった、と後にその場に居たHとKは語る。(プライバシー保護のためイニシャルにしております)


「三大ショック、とは?」

「まずその1。"夕子"が、可愛い乙女かと思ったら男っぽかった」

「上げといて突き落とすって奴っすね」

「その通り。まず夕子が可愛らしく及川に近付き、第一印象"可愛い"を定着させる。が、そこで夕子のボディタッチの痛さに及川悶絶、夕子のドゲス声に及川頭がついていかない、夕子が突如として男と化す」


もう及川とか言っちゃってるけど気にしない気にしない。


「つまり元に戻ればええってことやな!」

「え、金太郎ドゲス声出せるの……?」

「……わいをナメたらアカンで……?(ゲス声)」

「うひぃっ」


おお、想像以上のドゲス声。
日向も頑張ればいけそうだけどな……


「で、その2。ここで白石登場。夕子は乙女に戻り、白石が颯爽と"夕子は俺のモン"宣言。及川は先程の男夕子と相まって形容しがたいショック」

「形容しがたいショック(笑」


白石の美貌なら及川も打つ手なしだろう。
ついでに白石はそういうアドリブきくだろうし、及川ザマァ


「そしてその3。僕達登場と同時に夕子は豹柄タンクトップになり、決め台詞。"及川さんこの子男ですよ〜?もしかして女だと思ってました〜?"」

「蛍さんいい顔」


パシャリ、と光の手元から音がしたのは気のせいだということにしておこう。

ちら、と及川を見るとまだそわそわと周りを見渡していた。


「あ、トール☆からラインや。"大丈夫?迷った?迎えに行こうか?" やって」

「今ステンドグラス見えたから待っててって言っといて」

「わかった!」


とんでもない速さで画面をタッチする遠山。
また及川を見ると、iPooneを見てはビクッとして周りをキョロキョロするという なんとも怪しい人物の完成だ。


「よし。……じゃあ行こうか……及川徹のシャッターチャンスを逃さぬ為に……!!」



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