グダグダホラゲ実況!
ミーンミンミンミンミーン……
『暑い……』
夏も終わりに近づく今日この頃。
じりじりと太陽の光が私の体力を奪っていく。
最高気温38度とかおかしい。
なにそれ体温より高いんだけど。
暑い死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死……
『……あ』
こういう時は
ホラーゲームでもやりまっか!でも一人だと怖いし誰か呼ぼう←
某SNSで仁王に話しかける。
仁王雅治
→ホラゲーやるんだけど一緒にやらない?
←今ちょうど赤也とブン太も家に来てたとこ。三人で行ってもいい?
→OK!!
相変わらず既読が早い……
あ、そうだ。
せっかく三人来るんだし生放送で実況するか!
面白そう!!
*
『ってことで30分程でクリアできると噂の超最短ホラーゲームを実況するよ!』
さっそく生放送開始!
【どういうことやwwwww】
『ぜんざいPいらっしゃい。今日は詐欺師、ガム、デビルが来てくれました』
「どうも」
「ゲーム実況は初めてだぜい!」
「ホラーゲームなんて怖くねえぞ!」
『はいはい』
【怖いんだなwwwww】
『ホラーゲームはさっきも言った通り30分程でクリアできると噂のPCホラゲー"家が怨霊だらけになっちゃった☆"をやりたいと思います』
「
何そのネーミング」
【怨霊だらけになっちゃったwwwww】
【あ、それ俺知ってるわ】
【実況わくてか】
カチ、とスタートボタンをクリックすると、オープニングが始まる。
『ちなみにもうプレイ済みの人はいる?』
「いや?」
「やってねー」
「やってないっす!」
よかった。
おどろおどろしい音楽が流れて不穏な空気が漂う一軒家が映し出された。
『うわあ……何かいるね』
「タイトルのわりに本格的」
《ここは私のまいほーむ☆何かいつの間にか怨霊だらけになっちゃったんだよねーてへ☆》
「
でもなかったわ」
『
何このKY』
いきなり可愛い女の子の声が流れてきた。
【きたこれwwwwwwwwww】
【さすが暁変なの選ぶなwwwwwwww】
『こんなゲームなんて知らなかったよ!』
画面をクリックすると次の画面に移った。
50音が並んでいて、名前を入力してねとある。
『え、あ、
今のキャピキャピしたのを操作すんの!?!?』
「大波乱の予感……」
【名前は暁か?】
【詐欺子】
【ガム子】
【デビル子】
コメントで名前の候補が流れる。
『名前どうしようね』
「うーん……」
「暁が決めていいぜい?俺らセンスねえし」
「そっすね!」
えええ……
私もセンスないけど……
『じゃあ……』
カチカチカチカチ……カチ……
この名前でOK?
《真田子》
『さなだこ』
「
どうしてそうなった」
『呼びやすいかと思って』
「
やりにくいわ」
【さwなwだwこwwwwww】
【いいと思うwwwww】
『あ、ルシフェルいらっしゃい』
「ルシフェル来ちゃったよw」
《私の名前は 真田子 ☆これからまいほーむがこんなになっちゃった原因を探るべくまいほーむの中に入るよ☆行きたい方向にクリックして進み、部屋に入りたいときは部屋のドアをクリックして入ってね☆困った時はメニューボタンを押してね☆》
声と同時に文字が画面に映し出されるのだが星がウザいな真田子……。
割と親切だけど。
『私操作していい?』
「おう」
「じゃあ俺ら見てるわ」
「ゆっくりやってくださいね……!」
よーし、じゃあスタートだ!
まず玄関。
玄関のドアをクリックする。
《ただいまー☆》
「
呑気だなオイ」
『真田子……』
【wwwwwwwwwwwwwwww】
【真田子wwwwwwwww】
ドアを開けて中に入ると、電気がついていないのか真っ暗で何も見えなかった。
《あれえ?真っ暗で何も見えないぞ☆あ、そうだ確かこの辺に懐中電灯が……》
ゴソゴソと音がし始める。
『いや、
電気つけろよ』
「それな」
バタンッ「ヒィッ!!」
《キャッ!!》
「おいデビル、真田子より先に反応するなよ」
「無茶言わないでくださいよおおおお」
【しっかりしろ唯一のゲーム実況者wwwwwwww】
【さっさと進めろや】
《玄関のドアがいきなり閉まっちゃった☆もう開かないやー☆》
《あ、でも懐中電灯みーっけ☆スイッチーオン☆》
真田子の声に合わせて画面が明るくなる。
「
うわああああああなんかいる!なんかいるなんかいるなんかいるなんかいるなんかいる」
『
うるせえ黙れ』
「ハイ……」
【詐欺師wwwww】
【暁キレたwwwww】
確かに画面には黒い人の影が映っていた。
《あれ?お姉ちゃんじゃーん☆何やってるのー?》
「
お姉ちゃん!?」
真田子が動いて影を照らすと、ニタリと不気味な笑顔の人が映し出された。
真田子はそれに駆け寄る。
「おいおい
おい気付け真田子そいつ何かおかしいって!!」
《お姉ちゃんー☆》
「
おい」
『これ自動で進んでいくから操作の意味ないんだけど……』
真田子がそれに近付くと、それは右手をスッと上げた。
その手には
『あ、包丁じゃん』
「あ、包丁じゃん
じゃなくね!?助けろよ!!メニューメニュー!!」
真田子ウザいしここで殺されてもいいかと思ったんだけどなー
ガムさんの言う通りメニューボタンを押す。
・携帯電話
・包丁
・ハンマー
『
銃刀法違反で検挙しようぜ』
「
やめなさい」
明らかに持ち物おかしいでしょ!
こいつ誰か殺す気だよ!
「ここは包丁じゃね?」
ガムさんがカチっと包丁を選択する。おいこら操作は私だ
《きゃああああああっお姉ちゃんやめてええええええええ!!!!!!》
ザシュッ
「
ぎゃああああ血いいいい」
画面が一瞬で真っ赤に染まる。
でもあれが怨霊だとしたら血出なくね?
ってことはこの血真田子じゃね?
『真田子……死んだ……!?』
「
何でそんなに嬉しそうなの?」
《ふうー危なかったー☆》
映し出されたのは血だらけの真田子。
『チッ返り血か』
「
真田子に優しくしてあげて!」
《許さない……二度も……許さない……》
《あらまだ息があったの?でもその様子じゃもう動けないわね☆何せ両足の腱切って両肩の関節外して首も切ったもの☆》
『……
恐ろしい子』
「ここここいつ首だけでしゃべってんのか……!?」
《ねーそれよりトイレ行きたくなっちゃったー☆》
『
自由すぎんだろ』
私はトイレに向かわず、2階の真田子の部屋に向かった。
【暁……ネタバレ読んだな……?】
【もしや暁知ってる】
『ナンノコトカナ』
「暁いいいい!!」
確かにネタバレは読んだけど結末は知らないよ!←
『てか真田子歩くの遅い』
「あーホラゲあるあるっすね」
《もれちゃうー☆》
『
だったら早く歩けよ』
真田子の部屋に入ると、部屋の窓が開いていた。
《やだ☆開けっぱなしだった?真田子ったら恥ずかしい☆》
窓を閉めに行く真田子。
するとどこからか声が聞こえてきた。
《許さない……》
《よくも殺したわね……》
《真田子……》
《え……?》
真田子の視線になって画面がゆっくりと回転する。
すると、真田子の部屋のドアの前に3人の人影がいた。
《パパ……ママ……お姉ちゃん……》
『
わかるのか』
「まあ家族だし」
3人はゆっくりと真田子に近寄る。
《何で……私たちを殺したの……》
《ねえ……何でよ……》
《そ、それは……》
『……。……
こいつが犯人だったのか』
「真田子恐ろしい子……!!」
《殺すつもりなんてなかった……!ママとお姉ちゃんがいけないのよ……私がパパを間違って殺しちゃったこと、警察に言おうとするんだもの……!!》
「何か一気に萎えてきたっす……」
赤也がでろんと私に寄り掛かる。
まあ確かにホラゲなのに推理ゲームみたいだな……
《本当、殺すつもりはなかったの……!!》
《許さない……》
《信じてよ……!》
《許さない……》
《こ、こっち、来ないで……!》
ドン、と姉とされる怨霊の口が画面いっぱいに映し出される。
「ひっ」
その口がゆっくりと弧を描いた。
《
死ね》
ドンッと音がして、画面が真田子の視点に戻る。
真田子は窓から仰向けに転落。
最後に窓から顔を出したのは
「うわああああああ
真田子おおおおおおおおおお!!!!!!」
そう。
真田子だった。
画面にナレーションが流れる。
《昨夜未明、〇〇高校2年佐藤真田子さんの遺体が、自宅の庭から発見されました》
《発見された場所は真田子さんの部屋の窓の下で、自殺と考えられます》
《いじめなどの原因はあると思いますか?》
《いいえ……》
「うわああああああ
両親生きてるううううううう」
取材に普通に答える真田子の両親。
《一人娘だったので気をつけていたんですが……》
《真田子……!!》
『ふーん……一人娘、ねえ……』
「じゃあ何だ、姉はいなかったってことか!」
「じゃああの姉は……」
「「
真田子……」」
《何か一言あればどうぞ》
《はい……》
『この取材の仕方おかしいね!』
「
言っちゃだめ」
画面に両親の口が映し出される。
《《
次はお前だ》》
エンディングが流れる。
『……なんかよくわかんなかったね』
「
誰かさんがすっ飛ばしたからだろ」
『えー誰だろー暁わっかんなーい』
べしっと詐欺師に頭を叩かれる。
【25分で終わったwwwww】
【最短ルートwwwwwwwwww】
『グダグダでごめんね。でもガムとデビルはかなり体感温度低下したんじゃない?』
「ななななな何言ってんだよそんなことねえだろぃ!?」
「ぜぜぜぜんっぜん怖くなかったっす!!」
『へー』
私はこの前借りてきたホラー映画を取り出して見せた。
『じゃあ次はこれ見ようか!!』
「「
いやだああああああああああああああああああ!!!!」」
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アサギ様リクエストありがとうございました!
なんか真田子中心になってしまってグダグダですみません……
もっとホラゲ実況見て勉強します……っ!!
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