4 嫌な予感
お大事に〜と近くの看護婦さんが笑顔で見送ってくれた。
聖亜さんから借りた傘を財前先輩がひらく。
外はとてつもない土砂降りだった。
空は真っ暗で、風は唸りをあげ、雨は降り荒れていた。
『すごい天気ですね』
「こんなんになるかフツー?」
……何か、嫌な予感がする。『…先輩、中等部に戻るんですよね?』
「せやな」
『じゃあ私も中等部に行きます。ちょっと先輩に用事があるので』
「そか」
いや別に先輩に用なんて無いんだけども。
何か中等部が嫌な予感して。
「で、誰に何の用や?」
やっぱりそうなりますよねー『…いーじゃないですかーそんなことはー』
「は? そいつの居そうな所まで送ってやろうとしてんねんけどうわ紗那冷たー人の親切心無駄にすんねやー」
一息で言いやがったさぁ何と応えてごまかそう?
んー…ここからだと特力が近いから…
…あ、そうだ。
『手塚先輩ですよ、手塚先輩』
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