49 いざ病院へ
そんなワケで私は今病院へと歩いています…
えっと、確か病院へは一本道のはず。
このまま歩いていけば…
ん?
あれ?
分 か れ 道 が あ る ぞ ?
一本道じゃなかったっけ?
…どっちだ?
うーん…
うん?
うん、よし。
『左に
「アホ。左は高等部や」え?』
ガサッと私の後ろの木が揺れ、すとんと人が下りてきた。
『あ、財前先輩』
「自分、何しとんねん。病人は寝てろ」
ぺしっと頭を叩かれる。
地味に痛い。
『病院に行こうと思いまして…』
「…は? 病院は、あっちや」
指差した方向は、まさに私が歩いてきた方向だった。
「なるほど
ブフッ。方向音痴か
ブッフゥ」
『納得しないで下さい! てゆーかそんなに笑いをこらえなくてもいいんですよ!?』
「元気やん」
クスっと笑って頭をポンポンと叩いてくれる財前先輩。
心配してくれたのかな。
「…ま、仕方ないから病院まで連れていったるわ」
『え、私方向音痴じゃな、』
「これでアリバイができるんや」
ア リ バ イ ?
「今、サボっとったんねん」
…。
………あぁ、なるほど。
私を病院まで連れて行ってたって言えば怒られないもんね。
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