46 アリスドッジ
「ぬどりゃ!!」
キーン…
「ハッ! 効かねぇなあ!!」
「くっ…今度は俺が!! それっ!!」
キーン…
「だから効かねぇんだよ!!!」
はい状況を整理しましょう。河村先輩が投げたボールは河村先輩のアリス、"怪力"に反応し、凄い勢いで跡部先輩のもとへ。
しかし跡部先輩は氷の結界で自身を守っているため体には当たらず。
次に大石先輩が投げて透明化のアリスに反応したボールは透明になり、だがしかしそんなことは全く意味のないことで。
氷の結界で身を守っている跡部先輩には当たらず。
というか跡部先輩は守ってばかりでボールを投げない。
これじゃあキリがないだろ。
「青春チームは残っているのは大石とタカさんだけか…」
『あっちは跡部先輩だけ…』
多分青春チームと氷帝チームでドッジボールやってるのかな。
コートの外に眠っている乾先輩と慈郎先輩(多分乾先輩は慈郎先輩の睡眠のアリスのせい)
腫らした頬を氷で冷やしている侑士先輩(多分河村先輩の怪力)
そして先程倒れた菊丸先輩、向日先輩、手塚先輩がいる。
キーン…
あ、河村先輩が投げて結界に当たって跳ね返ったボールがこっちに転がってきた。
「あれ? 紗那ちゃんじゃないか」
「不二ーどこ行ってたんだよー」
「ごめんごめん」
『こんにちは』
「体は大丈夫かい?」
『はい。今日は学校休みましたが、もう元気です!!』
「そうか、なら良かった。ボール投げてくれるかなー」
私は足元のボールを拾った。
『んじゃ、私一応青春チームなんで、跡部先輩! いっきまっすよー!!』
「あぁん?」
とりゃっ と投げたボールはまっすぐ跡部先輩のもとへ。
跡部先輩は氷の結界をはっているので余裕の表情。
でも、私の力…
甘く見ると後悔するよ…
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