45 ドッジボール
『先輩は何してるんですか?』
「ん? 選択授業だったんだけど、僕が選択した体育の教師が腱切っちゃってね。今は自由行動で皆でドッジボールやってるんだ」
あぁ、だから手塚先輩の鳩尾にボールが……
って、『不二先輩もドッジボールやってたんじゃ!? こんな所で話してる場合じゃないですよ!!』
「大丈夫大丈夫。僕、外野だから。――見に行くかい?」
そう言うと不二先輩は私の手を取り歩き出した。
私の返事は無視ですか。「アリスドッジだからね、今面白いことになってるんだ」
ちなみにアリスドッジとは。
ボールを投げた人のアリスに反応する特別なボールを使ってやるドッジボールのことだ。
例えば幻覚のアリスの人がそのボールを投げると、幻覚でボールが大きくなったりする、ということだ。
さて、どうなっているのやら…
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