41 子猫
そうすると、鳳先輩にとって宍戸先輩と仲良くしてる海堂先輩はおもしろくないワケで。
ま、海堂先輩は気にしてないみたいだけど。
『いつもこんな感じなんですか?』
「フシュー…」
にゃあん…にゃ―にゃあ
海堂先輩が抱っこしていた子猫が鳴いた。
先輩はフムフムと頷いている。
「…あまりそういう言葉を遣うな。つかどこで覚えたそんな言葉」
『…その猫ちゃん、今何か言ったんですか?』
「え、……いや…こいつも、あんまり鳳は好いていないらしい」
つまり鳳先輩への暴言を吐いたのかこの猫ちゃんは。
にゃーにゃあ!
にゃっにゃー!!
「…ありがとよ……」
『何て言ったんですかー?』
「なんでもねぇよ」
海堂先輩は子猫が言ったことを教えてくれなかった。
でも私、海堂先輩のアリスもコピーしてるから、今子猫が言ったこと、分かっちゃったんだ。
"僕はいつまでも薫の味方だからね!"
この子猫、海堂先輩のこと大好きなんだね。
『あ、そういえばその子の名前は?』
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