40 動物小屋
そんなこんなで動物小屋に入りました。
いや、正確に言うと
鳳先輩にもの凄い力で引き込まれました。『えーと…皆さんサボ
「「「サボってない!!」」」…さようですか』
サボりなんだね。
「べ、別に、どど動物たちの助けてメッセージが聞こえてきたんじゃねぇし!?」
「俺はそんな海堂を追いかけてきたんじゃねぇし!?」
「俺だって2人を追ってきたんじゃありませんよ!?」
なるほど。よくわかりました。「そんなことより紗那ちゃん。
見てないよね?」
『…盗さ
「見てないね?」ハイ。』
鳳先輩が黒だということが判明いたしました。
「それより藍原…昨日の今日で大丈夫か…」
『あ、はい。学校休んじゃったんですけど、元気です!!』
「あぁ、だから暇になってここに来たと」
『そうでっす。――ところで先輩たちは何を?』
「「動物のケア」」
ケア?
あ、そういや海堂先輩は動物と話すアリスで、宍戸先輩は動物を癒すアリスだったね。
なるほど。
…でも、鳳先輩…何でいるの?
たしか鳳先輩は人を癒す曲を奏でるアリスだったよね。
『鳳先輩』
「
ん?」
『…やっぱ何でもありません…』
「あ、そう?」
素敵な笑顔でしたよ鳳先輩。
「あ、長太郎。ちょっとこの犬持っててくれ。エサ準備してくる」
「あ、俺宍戸さん手伝います! 紗那ちゃん犬お願い」
『あ、はい…』
「ん、そうか。なら頼んだ」
バタン
「『…』」
2人は動物小屋を出ていった。
…私は気づいてしまった。
私や海堂先輩と話す時の鳳先輩の目と、宍戸先輩と話す時の鳳先輩の目の輝きが格段に違うことに…。
きっと、
鳳先輩は宍戸先輩のことが好きなんだな。
きっと?
いや、
絶対だ。
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