34 毒手
『
Σどぅえ!? …あ、何だ…びっくりした…
白石先輩』
「はは、すまんなぁ。驚かせてもた」
…白石先輩、やっぱ美少年だなぁ…
なんか、幸村先輩とか不二先輩とかも美少年なんだけど、白石先輩はなんかもう完璧な美少年みたいな。
わかんないか。
「こんな所で何してるん? 今授業中やろ?」
『私は朝体調悪くて休んだんです。白石先輩は?』
「自習や、自習。…体調悪いって…そういや、昨日倒れたって聞いたで。ほんまか?」
『あ、ハイ。でももう大丈夫ですよ』
ニコッと笑うと白石先輩もホッとした表情を見せた。
…かっ かっ かっ
『かっこいい!!!』
「え」
「…ぷっ ちょ、あはははははははははは!!!!」
『す、すみませんでした…』
「ははは!! いや、ええねん!! ちょ、おもろかったわ!! いきなり真正面から目を見てかっこいいって言われたんは初めてやわ!!」
あはははは、と腹を抱えて笑う白石先輩。
…あかん。
大爆笑して取り乱しても美少年は美少年やわ…「紗那ちゃん関西人向けやな! 一緒にいると楽しいわぁ」
『ど、どうも…』
腹筋破壊されるところやったわ〜とか言いながら頭をポンポンと叩いてくる白石先輩。
…あ。
『そういえば、左手、ケガしてるんですか?』
「んー?」
会った時からずっと気になっていた。
白石先輩の左腕にはぐるりと包帯が巻いてあるのだ。
「あぁ、これか? 別に何ともないで?」
『じゃあ何で…』
「んー……実はな、この包帯の下には腕を鍛える為に金のガントレットがついとってな、それを隠すために巻いとるんや」
『
嘘ですか?』
「信じる信じないは紗那ちゃんの自由や」
むぅっと頬を膨らませていると、白石先輩が温室の中を見た。
「ここ、俺の温室やねん。見てくか?」
『いいんですか!!』
「(あ、機嫌なおった) ええよ〜」
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