「いややぁあ゛ぁぁ゛あ゛!!! 死なんといてやあぁ゛あ゛ぁぁ゛あ゛!!!!」
「やっぱ連れて行かなきゃ良かった…。…遠山、とりあえず出てってくれる?」
「え、せやかて紗那が「夕食の時間終わるよ」ほなな!」


バタン。


「…で? 起きてるんでしょ、紗那」
『バレてたか』
「当たり前。具合は?」
『金ちゃんに運ばれた時胃の中シャッフルされて気持ち悪いけど、それ以外は大丈夫』


あの後。
何となくしか覚えてないのだが、もの凄い勢いで金ちゃんに担がれ、私の部屋に運ばれて。
途中で吐きそうになった。
さすが超運動能力。

んで勝手に殺されて。
その時に救世主リョーマが現れたのだ。
リョーマ愛してる。


『貧血だと思う。心配しないで』
「…そう。幸村さんに変なこと言われたとかじゃないんだね?」
『Σな、何で幸村先輩が出てくるの?』
「随分と親しげに喋ってたから」
『…逆らうと大変なことになるから』
「……なるほど」


リョーマ、そんな憐れみの目で私を見ないで。


『あ、てゆーか、私倒れる時手塚先輩の声聞いたんだけど』
「手塚部長の? …あぁ、でも確かに、紗那が倒れる時にどこから音もなく現れてたね」


ふーん…

っていやいや。
ふーんじゃないよ。


『何故手塚先輩?』


青春チームのコートからは距離があるのに。


「知らないよ。紗那のこと好きなんじゃないの?」
『まさか。それにね、私倒れる時手塚先輩に…紗那って呼ばれた』


いつもは"藍原"って呼ばれてたのに。

だからやけに大きく耳に残ったんだ。
…"紗那"って呼ぶ手塚先輩の声が。


「…聞き間違いだろ。部長が名前呼びするわけないじゃん」
『ですよねー!!』


まぁ明日聞きに行けばいいか。


「てか紗那、いつの間に名前覚えられるようになったの」
『え? あ、本当だ! いつからだろう…。テニス部とか特力とか初等部Ｂ組の皆のアリスは全員コピーしたから、その中に記憶のアリスの人がいたのかも』



「いないよ」



『…え?』
「そんなアリス聞いたことないし。記憶操作アリスの俺が言うんだから、間違いない」
『…マジですか』

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