30 見ていけよ☆
魔王に見つかっ
「ん? 誰が魔王だって?」読 ま れ た …
『いえ、誰でも!』
「そうかい」
素敵な笑顔の幸村先輩でした。
あ、仁王先輩いつの間にか逃げやがった。
『ちょっと見ていただけなのですぐに戻ります』
「え? もっといていいのに。いやむしろ
まだ見ていけよ☆」
『
ハイ、ヨロコンデー!』
そうして今日は魔王の…げふん。
素敵な幸村先輩のいる立海コートを見学することに。
コート脇のベンチに魔王が…ごほん。
美人の幸村先輩が座り、"おいで"と脅さ…げふんげふん。
言われたので私は魔王の…ごふん。
素敵な幸村先輩の隣に腰を掛けさせて頂き
「さすがの俺も傷つくよ?」『さーせんっしたあぁあぁぁあ!!!!!』スライディング☆土下座
「学園生活にはもう慣れたかい?」
『はい。もう毎日楽しいです』
「…"楽しい"ね…それは、いいことだ」
幸村先輩は私の方を見ずに、肩にジャージを羽織って腕を組んでいるいつもの状態で、ぽつりぽつりと話し始めた。
「…俺はね、5歳の頃、親に捨てられたんだ」
『…え、』
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