28 テニスしたいな
『ふぅ…』
慈郎先輩の"睡眠のアリス"を使って眠らせた棗くんを寮の部屋まで運んだ私は、既に放課後となっている初等部に向かっていた。
授業サボってごめんよ先生。
…あ、あの後ろ姿は…
『リョーマ!』
「あ、紗那」
青と赤と白を基調としたそのジャージを着てるということは、今からテニスしに行くのか
『今からテニスしに
「紗那は来ちゃダメ」え』
「体調悪いんだろ」
『えぇーっ! 私の唯一のストレス発散がぁ…』
しょぼーんとうなだれると、リョーマは溜め息をついた。
「…じゃあ来るだけね。テニスはしちゃダメ」
『えー』
「ダメ」『はい』
でもーテニスコート来てテニスしないって…暇すぎる…
んー他のチームの皆さんにちょっかいかけに行こうかな♪
ゴキッ『!!??』
メキッ
ぐきっ
ぐぐぐ…え…何この
痛い音…そっと音がした草の影を覗く。
「ふぅ〜」
『…え』
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