ひだまり日記 | ナノ


  15 テニスとアリス


『…………………………………………は…?』


あまりの驚きに反応が遅れてしまいました。


「ほいほーい♪」
「ぬどりゃ!!」
「それっ」
「風が吹きますよー!」


えーと。
簡単に言いますと、皆さんアリスを有効に使いながら(←ここ大事)テニスをしているんです。

テニスをしながら浮遊してたり…
打つ時に快力になってとんでもないボール打ってたり…
テニスボールを透明にしてたり…
風を読んでうまくボールをコントロールしたり…

なにこれカオス


「これが日常だから」
『へ、へぇー』
「安心しろ。大会の時はアリス使用禁止にしている」
『大会?』
「あ、そうそう」


さっき話途中だったね、とまたリョーマが話し始めた。


「テニス部は、わかれた4チームで年に1回大会をするんだ」
『へぇ! 面白そう!』
「もちろんアリスの使用は禁止で、実力勝負だよ」


すごい楽しそう!
わーっ強い人いるかなーっ


「全員集合!」


部長さんが声を張り上げると、皆は一斉にこちらに走ってきた。
部長さん、信頼されてるなぁ。


「今日は新しいメンバーを紹介する」
「俺の幼なじみっす。実力は俺が保障するっす」


紗那、とリョーマに背中を押され、前に出された。
大丈夫だろうか…
女だからって馬鹿にされないかな…


『あ、えと、今日学園に入った、初等部B組 藍原紗那です! アリスは自然と羽根です! よろしくお願いします!!』


緊張やら不安やらでめちゃくちゃ早口になってしまった。
顔を上げられなくてずっと頭を下げていたが、


「よろしくにゃーん!」
「越前の幼なじみか! よろしくな!」
「越前のお墨付きなら大丈夫だな! よろしく!」


歓迎の声が上がり、ほっとして頭を上げ、にこりと微笑んだ。
すると、


「にゃーっ! 可愛いーーっ!!!!」


たしかさっき浮遊してた先輩が抱き着いてきた。

にゃ?


「菊丸。自己紹介が先だ」
「む。…はぁい」


名残惜しそうに離れると、青春チームの自己紹介が始まった。

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