ひだまり日記 | ナノ


  9 VS初等部校長


少し歩いて着いたのは初等部校長室。
やっぱりね。


「じゃあ僕は中に入れないから…」
『はぁ…先生、聞き耳たてないで下さいね?』
「わかってますv」


鳴海先生に念をおして初等部校長室のドアの前でゆっくりと深呼吸した。


コンコン…


『藍原紗那です』
「どうぞ」
『失礼します』


警戒しながらドアを開けると、中にちっこいチビ…
おっと。
初等部校長(らしい)がやけに豪華な椅子に踏ん反り返っていた。


「アリス学園へようこそ、藍原紗那さん」
『はぁ』
「いきなり呼び出してしまってごめんね」


私は、ゆったりとした口調でのそのそとしゃべる初等部校長にイラっときたらしい。


「まぁとりあえず座『聞きたいことは何ですか』


初等部校長の言葉を遮ってしまった。
やっべ。

しかし初等部校長は にこり、と笑うと、「話が早いね、」と言った。


「じゃあ、正直に答えてくれるかな。――君のアリスは?」


やっぱりそうくるか。
さて…敢えて正直に言うか。
その方が内部事情知れそうだし。


『自然のアリスと、羽根のアリス。…あと皆には言ってないけど、コピーのアリスも』

初等部校長は少し驚き、また笑った。


「3つも持ってるなんて珍しいね。――君の両親は?」


確信を持ったように質問する初等部校長。
――わかってるんでしょ?


『藍原聖雅と、美幸です』


初等部校長は満足そうに頷いた。


「やはり…――二人は元気かな?」


私は制服の裾をギュッと握った。

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