8 久しぶり
『リョー…マ…?』
「え?知り合いなん?」
『……で、
名前合ってる?』
「合ってるよ」
『久しぶり!!』
リョーマ…越前リョーマは、ちょうど3年くらい前に住んでいた家の隣に住んでいて、歳も同じだったのですぐに仲良くなった。
よくテニスして遊んだな〜。
でもその後、私が引っ越しちゃったんだっけかな。
たしかアリスは…大型化・小型化のアリスと、記憶操作のアリス。
「紗那…アリスは?」
『え?』
え、ちょっと待って。
リョーマは私のアリス知ってるはず…
あ、そうか!
わざと改めて聞いたんだ!
私が『コピーのアリス』を他人に言ってほしくないのを察して。
さすが。
『自然と羽根。リョーマは?』
「大型化・小型化」
リョーマは記憶操作のアリスは公開してないんだね。
と、その時、リョーマの隣にいた赤毛の可愛い元気な男の子が身を乗り出してきた。
「ワイ、遠山金太郎いいます! アリスは超運動能力や! よろしゅう!」
『リョーマの友達? よろしく!』
「いや、
知り合い」
「Σッッ!!!!!」
「声にならない悲しみってやつだねー」
リョーマの"知り合い"発言に相当なダメージを受けた金太郎くんは心読みくん(先程名前を聞いたが忘れた)に慰められていた。
「あ、紗那ちゃん、ちょっと来てくれるかな」
教室の出入り口で鳴海先生が私を呼んだ。
『はーい。じゃあまたね〜』
「紗那!……後で、久しぶりに、テニスしよう」
『……うん!!』
……さて、初等部校長がお呼び…かな。
目をつけられてもおかしくない登場の仕方したもんね、私。
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