52 巨木の中で[真田side]
"
この木のどこかに、俺の大事なモノを隠した。それを見つけられたら、チームに入ってやる"
「!!」
思い出した……
それで、結局仁王の大事なモノを見つけられなくて、朝も夕も探していたら、仁王が、
"体を壊すまで探されちゃ困る。チームに入るからもう探すのは止めろ"
と、なったのだ。
「皆、」
「わかってるって!」
「仁王くんの大事なモノ、でしょう?」
「……そうだ。何としても探し出せ」
しかし……闇雲に探しても埒があかん。
どうすれば……
「弦一郎」
「、何だ蓮二」
「少し……着いてきてくれないか。……皆も」
そう言って柳は木を登り始めた。
……目的地があるのか?
この巨木の中に……
「……やはり、か」
「、な……っ」
そこには、太い枝の上に仰向けになり、立海のジャージをかけ寝ている仁王がいた。
「……何故だ、蓮二」
「……仁王が立海チームに入った後も、俺は"仁王の大事なモノ"というのが気になって探していたら、ここで寝ている仁王を見つけてな。全く起きる気配が無かったから仕方なく俺のジャージをかけておいたのだ」
「え、」
「蓮二。俺が聞いているのはそういうことではない。
何故お前はこの巨木の中でこの場所に一直線に来ることができたのかということを聞いている」
何か目印があるのかと思ったが、それらしいものは全く見当たらない。
一体どうやって……
「……ああ、俺は一度見たものは忘れないからな」
「……は?」
一度見たものは忘れない……だと?
「何故それを今まで黙って、っ!!」
蓮二が胸元からペンダントを取り出した。
それは、
「金色の……三日月、」
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