51 登れ[真田side]
[真田side]
「真田……!!」
「、お前達、何故」
淡い光の元には巨木があり、その根本に、丸井や柳、赤也、ジャッカル、柳生らがいた。
丸井は巨木を見上げながら言った。
「いやーなんかよー、ここに導かれた? みたいな」
「怪我は、無いのか?」
「全然平気っス!」
赤也が元気よく笑った。
妙だな……仁王は確かに、"仲間の命が危ないかもな"と言っていたが……。
まさか、こいつらも実現幻覚か……?
それに、
「この、木は……」
大きさは計り切れない程。
幹の周りに手を繋いだ人を並べて1周するのに、20人くらいはかかる。
「あ!! 思い出したぜぃ!!」
丸井が巨大を指差す。
「この木、確か仁王が初めて俺らのグループ入った時に登った木じゃねぇ??」
……そうだ。
確か……数年前、仁王が学園に来た時。
俺らはテニスをやっていたという噂の仁王をテニス部に……立海チームに入れたかった。
仁王は始め、テニス部に入ることを拒んだ。
しかし俺らは諦めず、何回も仁王の所へ行った。
それはいつの間にか鬼ごっこのようになって……
仁王は、この木に登って身を潜めたんだ。
でも、千里眼の柳に見つかり、この木の上で、仁王はチームの一員になった。
「……登れ」
「は? ちょ、」
「おい、真田!」
この木の上……何かありそうな気がする。
しかし、何かがひっかかる。
俺は……何か……忘れている……?
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