ぽたり、と 今度は鳳の涙が地面にいくつものシミを作る。


「謝るのは、俺の方です……っ!! 何で俺、先輩たちを信じなかったんだろう……っ、馬鹿だな、俺……っっ!!」
「鳳、」
「俺には、こんなに……、こんなに、頼れる仲間がいたのに……っ!!」
「……長太郎」


ボロボロと涙を流す鳳の頭を、宍戸さんは立ち上がって撫でた。


「忍足、白石と長太郎は解放してやってくんねぇか?」
「、おん」


忍足先輩のアリスから解放された鳳は、涙をごしごしと拭った。


「殴って悪かったな」
「いえ……っ、おかげで、目が覚めました」


鳳は、まだ動けない跡部さんの方を向いた。
その瞳に、もう陰りはなかった。


「……跡部さん」
「……」
「もう、終わりにしましょう」

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