46 行こう[主人公side]
「ところでこれからどーするんだ?」
玲生兄が私たちに問い掛ける。
「……他のグループか」
ボソリと呟きながら考えこむ手塚先輩。
そんな手塚先輩を見て玲生兄は眉をひそめた。
そして顔を覗き込む。
「……あれ……お前……
国光?」
「「「「『
は?』」」」」
全員の声が一致した。
手塚先輩は一瞬硬直したが、いつものポーカーフェイスに戻って、眼鏡をクイッと押し上げた。
「……お久しぶりです」
「ハッハッハッ!! そうか国光か!! 久しぶりだな!!」
「え? なになに、手塚、知り合い?」
「……先輩だ」
「そうか、手塚はかなり昔から学園にいるからな」
へぇ……
手塚先輩が玲生兄と知り合いだったとは。
驚き。
「話が逸れちまったな。んで?」
「"他のグループにも裏切り者がいる"……と藍原が言っていた」
『え?』
言ったっけ?
全然覚えてないや。
でも時間無いし、そこはスルーしよう。
「で?」
『他のグループの所へ行きましょう。ここは紫堂さんに任せて』
「了解です」
あ、紫堂さん復活した。
「で、どこ行くの?」
リョーマが聞く。
ここから一番近いのは中等部――立海チームの所。
でも――……
『……高等部に。何か、嫌な予感がする』
みんな、納得してくれるかな……
「――わかった。では、すぐに向かおう」
『え……』
手塚先輩がドアの外へ行く。
「そうだな」
「俺も行く」
「急ぐぞ〜っ」
棗くんも加わり、みんな初等部を出る。
「紗那」
「行くよ」
玲生兄とリョーマが手を差し出す。
『――……うん!!』
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