大石先輩が状況を理解できなくて わたわたとしていた。


『あ、血は繋がってませんよ。慕っているんです』


ニコッと笑いながら言ったが、みんなは変な顔のままだ。


「一体お前何者なんだよ?」
「玲生ってＺの一員じゃなかったの?」
「Ｚって、反アリス組織の……!?」
「おっと、それは違うぜ」


むくっと玲生兄が起き上がる。
よくご無事で。


「違うって……何がっスか」
「確かにＺは反アリス学園組織だ。だがしかし。厳密に言うとＺは、反初等部校長組織だ」
「は?」


目が点になるみんな。
見てると面白いな、みんなの反応。


「わかりやすく言おう。Ｚは、反反アリス学園組織だ」
「いや、全然わかりやすくないっスけど」
『まぁ簡単に言うと私たちの味方ってことです。……だよね、玲生兄!』
「おうっ!」


玲生兄とピースし合う。
みんなはよく理解できていないようだが、とりあえず"味方"だと知って少し安心した様子。


『ところで玲生兄、ここは安全?』
「ああ。紫堂が結界をはってるから大丈夫だ」


くいっと玲生兄が親指で指した先にいたのは紫堂さん。
紫堂さんを見ると、ちょうど目が合った。
ニコッと笑いかける。


『紫堂さんおひさっ!』
「〜〜っ紗那さんっ!!」
『ん?』
「ウチの養女にドカッ ボッ熱゛ぅうううううっっ!!??」


何故か リョーマに殴られ 棗くんに炎をつけられる紫堂さん。

さっきから超不機嫌だなこの２人。
一体どうしたのよ。


「……アンタの仲間もアンタみたいな人しかいないの?」
「は? どういう意味だ?」
「やめろ越前。馬鹿は自覚しねぇモンだ」
「ああ、なるほど」


何の話だ。

てかこの２人って意外に仲良いよね。
もしかして……


『心の友?』
「「変な想像 しないでくれる?/してんじゃねぇ」」


わお。
息ぴったし。

prev / next