41 俺らの仕事[財前side]
[財前side]
「ほな、アリス解くで」
皆が こくんと頷く。
金太郎はそれを見ると、パタンと懐中時計を閉じた。
「「「っ!?」」」
それと同時に、3人の体が自由になる。
3人は俺たちを睨む。
「金ちゃん……幹部やったんか」
「せやで」
「チッ……くそっ」
ヒュ……と跡部さんの手が動く。
またアリスを使う気か。
「
待ちい」
ピタッと3人の動きが止まる。
謙也さんのイトコか……
「忍足……てめぇ、何故アリスが、」
「たまたま実習で作ったアリスストーンがあってな。持ってて良かったわ」
「チッ……」
「忍足先輩、ありがとうございます。――さぁ、たっぷりと話しましょうか?」
日吉が言う。
俺らの仕事の始まりや。
「先輩ら、何でこんなことしてんスか」
「っ、学園を、恨んでるからに、決まってるやろ」
「違いますよね? 少なくとも、貴方はそんな理由じゃないはずだ」
白石先輩の目が大きく揺らいだ。
「……
言ってまった方が、楽やと思うで?」
「……っ俺、は……っ」
「白石!! 口を動かすな!!」
白石先輩はぎゅっと口を閉じた。
言わない気か、と思ったら、白石先輩は優しい目で跡部さんの方を見た。
……まるで、"もう終いや"とでも言うかのように。
「……俺は、
姉を人質にとられとる」
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