37 時使い[財前side]
[財前side]
チッ……チッ……チッ……
「……なん、や……?」
金太郎が懐中時計を開いた瞬間――
跡部、白石、鳳の3人が、時が止まった様に動かなくなっていた……跡部のマリオネットから解放された金太郎と樺地は、俺と日吉から離れた。
「ふー……使ってもーたな、コレ」
金太郎が懐中時計を見つめながら呟いた。
コレ…?
「コレ……って、何や?」
「……ワイのアリスや。隠してたんやけど……緊急やったから仕方あらへんなっ」
屈託なく笑う金太郎。
「遠山のアリスは超運動能力じゃないのか」
日吉が眉間に皺を寄せながら問う。
金太郎は困ったように笑った。
「まぁ、それもそうやし、
時使いもワイのアリスや」
時使い……っちゅーことは、
「まさか……特力系やったとか?」
「おん」
特力系……やと……?
せやったら……
「PFのペンダント持ってるやろ。出せ」
「……何や、お見通しかいな?」
金太郎は"金色の"三日月のペンダントを出した。
皆の目が驚きに見開かれる。
「……幹部やったんか」
「おん。幹部会の一員やで!!」
……。
……では言わせてもらおう。
「
それを早く言え」
「
え、ごめんなさい」
prev /
next