36 どうする[真田side]
[真田side]
「危力系じゃ」
実現幻覚のアリスで……危力系だと……?
クックッと笑いながら俺に背を向ける仁王。
「仁王、お前は」
「あーそうそう」
仁王は少し俺の方を振り返り、口角を上げてニヤリと笑った。
「迷路、早よクリアせんと……
仲間の命が危ないかもな」
「!!」
そう言って仁王は消えた。
……今のも実現幻覚だったのか……。
……に しても……
"仲間の命が危ないかもな"
あの言葉は気になる。
「早く脱出せねば……」
しかし、闇雲に歩いていても埒があかん。
何か方法は……
そこで、先程の仁王を思い出した。
「、そうだ、壁の上だ」
あの時、仁王は壁の上にジャンプしていた。
上からなら出口が見えるかもしれない。
多少ふらつきながらも壁の上に上ると、周りの一望してみた。
「……何も無いな」
いや、あることには、ある。
……白い壁が、一面に。
どれだけ目を細めて遠くを見ようとも、壁しか見えない。
諦めて壁を下りた。
――その時
「どうするか……。…………!!!」
――真田の目に、あるものが映った。
prev /
next