[リョーマside]


「紗那?」
『……何だ、早くしろ越前のガキ』
「は?」


紗那の様子がおかしい……
いきなりガクッと頭を下げたと思ったら、顔を上げたら別人に変わっていた。


紗那じゃない…


何より瞳が……燃えるように紅い。


『この声はお前と手塚にしか聞こえねえよ』
「……誰だ」
『別に誰でもいーじゃん』


いや、よくねえよ


『いざとなったら動けるんだろ。この程度の風の能力だし』


確かにいざとなったら動けるようにはしてある。
それなのに動かないのは、不二先輩の動悸を聞くためだ。


『早くした方がいい。他のグループにも、裏切り者がいる』
「、誰が」
『さあな………時間切れ…だ…………』


また紗那は、ガクッと頭を垂れた。





























『……ん、』
「っ、」





紗那に戻った……?





















誰だったんだ……?

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